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デュラーレ・チェンバー・ストリング・アンサンブル(DCSE)シリーズ3「バロックの世界」。素晴らしいメンバーと、こだわり抜いた本気の音楽を追求したいという思いで、セントラル愛知交響楽団のヴィオラ奏者 井野公実とコントラバス奏者 高柳安佐子を中心に結成された弦楽アンサンブルに、豊嶋泰嗣がゲストコンサートマスターとして再びやって来る。

デュラーレ・チェンバー・ストリング・アンサンブル(DCSE)にコンサートマスターとして迎えられるのは2度目という事です。

豊嶋泰嗣:主宰者の井野公実さんは、門下生の中でも教え始めた頃の生徒で、先生と生徒と云うよりも、先輩と後輩のような関係です。時間の経過とともに、このような形で一緒にアンサンブルが出来ることは本当に嬉しいです。

DCSEの印象は?

豊嶋:皆さん一人一人が積極的に音楽作りに参加していて、とても気持ちのいい楽団です。リハーサル中は、私が気付いたことを色々話していくのですが、みるみる音楽が変わっていき、非常に手応えを感じます。それだけに再びお声がけ頂いて光栄に思っています。

今回のプログラムを、どのようにご覧になられていますか。

豊嶋:バッハでまとめられていて、取り組みやすいと思います。個人の技量が活かされる華やかなブランデンブルク協奏曲第3番と、これは私にヴィオラを弾いて欲しいというリクエストだと思われるブランデンブルクの第6番(笑)。そしてヴァイオリン協奏曲第2番に、中野振一郎さんを迎えてチェンバロ協奏曲第4番。更には、弦楽合奏版のシャコンヌ。非常にバラエティとボリュームに富み、お客様には嬉しいプログラムであると同時に、勉強し甲斐のある素敵なプログラムです。中野振一郎さんの存在は、チェンバロ協奏曲に限らず、とても心強いです。

ブランデンブルクの6番にはヴァイオリンは出て来ません。井野さん、これは豊嶋さんにヴィオラを弾いて欲しいという事でしょうか。

井野公実:豊嶋先生はヴァイオリンだけでなくヴィオラも素晴らしい。6番で一緒にヴィオラを弾かせて頂けるならこれほど幸せなことは無いと思い、リクエストしました(笑)。

高柳安佐子:今回、豊嶋先生からしっかりバッハを学びたいと思い、井野さんと相談してこのプログラムを考えました。豊嶋先生とメンバーで、シャコンヌが演奏出来るのは、特別な事です。

豊嶋さんは2019年にバッハの無伴奏全6曲を録音されています。今回のような弦楽合奏版は同じシャコンヌでも違うものですか。

豊嶋:バッハはどの曲も素晴らしいのですが、特にシャコンヌは音楽として完成されていて、特別感はあります。もちろん一人で弾くのと、グループとして弾くのでは当然違います。色んな楽器編成で演奏できるように様々な編曲版が出ていて、オーケストラの皆さんも弾く機会が多いでしょうから、この機会にしっかりと勉強出来たらいいですね。

「MEG」読者の皆さんにメッセージをお願いします。

豊嶋:音楽の仕事は経験が財産です。私は大変恵まれて来ましたが、若く有能な人にも、数多く経験の場を作ってあげたいと思っています。アンサンブル力はコミュニケーション力であり、人間力です。一人に一台スマホ時代に加え、コロナの影響でコミュニケーションの在り方が問われる時代ですが、厳しいリハーサルを経て、本番の演奏で感動し、仲間と終演後に語らう時間はいつの時代も格別なひと時。まだ、難しいのかもしれませんが、そんな平時に早く戻って欲しいですね。DCSEの演奏で素敵な寛ぎのひと時をお過ごしください。

◎Interview&Text/磯島浩彰


8/31 WEDNESDAY
Durare Chamber String Ensemble 2022
シリーズ3 バロックの世界

チケット発売中
■会場/電気文化会館 ザ・コンサートホール
■開演/18:45
■料金(税込)/全席自由 一般¥3,500 高校生以下¥2,000
*9/30シリーズ4「拘りのピアノ5重奏」、10/20シリーズ5「二つの四季」
との3公演セット券あり 一般¥9,000 高校生以下¥5,000