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「タヒチオラ」Web 限定インタビュー
取材日:2014.09.19


今年7月、タヒチ最大の祭典「Heiva i Tahiti2014」で総合優勝を果たし、
圧倒的な実力を誇るタヒチアンダンスグループ「TAHITI ORA」。
ジャパンツアーの皮切りとなる名古屋公演を目前に控え、
リーダーでありトップダンサーのモエナ・マイオトゥリがひと足先に来日しました。

タヒチアンダンスとはどのようなものですか?

タヒチでは日常の一部のような存在です。趣味にしている人もいるし、私のように職業として踊っている人もいる。タヒチの女性の半分ぐらいは、タヒチアンダンスを何らかの形で踊っていると思います。世代を越えて、おばあちゃんからお母さん、そして子どもたちへと、代々ずっと伝わってきているのがタヒチアンダンスです。最近はスポーツとしての一面もあり、特に30代から40代の女性がレッスンを受けて汗を流すなど、タヒチアンダンスは新しい方向性を見せています。特に最近のタヒチでは、より若年層にタヒチアンダンスを教える傾向にあります。タヒチオラのディレクターで私の師匠でもあるツマタ・ロビンソンのダンススクールの生徒の中には、2〜3歳の子どももいるんですよ。歩き出すと同時にダンスを教えるというような環境が出来つつありますね。

ダンスに種類はあるのでしょうか?

アパリマとオテア、大きくこのふたつに分かれます。アパリマは「手で表現する」という意味で、歌詞を伴って歌と共に表現されます。歌詞には花で波、愛などの言葉が出てきますが、それを振り付けで表現するのがアパリマ。比較的穏やかなリズムで進みます。対して、激しい打楽器、パーカッションに連なる動きでかなり切れのあるダンスをするのがオテアです。また、タヒチでは男性のダンス人口も多く、男性らしい肉体美を見せるのもタヒチアンダンス独特の世界ですね。タヒチアンダンスは、女性のみで踊ることも男性のみで踊ることも出来ますし、カップルで踊ることも出来ます。あらゆる組み合わせで踊ることが出来るのも特徴です。

タヒチアンダンスは、ハワイアンダンスのルーツなのでしょうか?

ポリネシアはハワイ、タヒチ、クック諸島が三角形を作る形で並んでいます。その3つの島が従兄弟同士のような関係ですね。それぞれのダンスは非常に似ていますが、ハワイのダンスはハワイのダンス、タヒチはタヒチ、クック諸島はクック諸島、と考えていただいた方がいいと思います。例えばハワイアンダンスは肩から腕にかけてまっすぐ伸ばすことが多いのですが、タヒチアンダンスは肘に少しゆとりを持たせます。タヒチアンダンスでは伸ばすことはありません。また、腰を動かすときは膝を使って動かしますが、その膝の使い方がハワイアンダンスとタヒチアンダンスは違います。ハワイアンダンスのいわゆるフラダンスとタヒチアンダンスのアパリマは、ビジュアルだけを見ると確かに似ているかもしれませんが、それぞれ全く違う意識で踊っているんです。


今回のジャパンツアーでは「Marama 〜光の島〜」をテーマに掲げています。見どころを教えてください。

まず最初にお伝えしたいのが、タヒチアンダンスを五感で感じていただきたいということ。今回の公演で発表する物語は、母親と双子の子どもが死別するという辛く悲しいお話です。実際にも起こり得ることですし、感情表現の部分も見ていただきたいと思います。日本語訳を通して日本のお客様に物語を理解していただけるような形で進めていこうと考えていますので、物語を楽しんで共に感じていただけたら嬉しいです。場面が変わるごとにコスチュームも変わりますし、ひとつひとつのコスチュームも非常に作り込んであるので、観客の皆さんは本当に驚かれるのではないでしょうか?また、今回はミュージシャンも来日して全て生音で演奏しますので、打楽器の音の迫力などもお楽しみいただければと思います。


音楽は、どのような楽器が使われるのですか?

ベースにはトエレを使っています。タヒチアンダンスの中でよく耳にする、丸太を繰り抜いて作った楽器です。高音を出すもの、低音を出すものがあり、大きさも大・中・小あります。ガシャガシャガシャという音を鳴らす、竹で出来たイハラという楽器。それからタリパラウという大太鼓のような楽器、もう少し高さのあるパフという太鼓も使います。また、日本でいう小太鼓のような形をしたファアテテ。これはドラムのような役割をします。それらの楽器は全てタヒチで採れた素材を使い、ミュージシャンが自分たちの手で削って、磨いて作ります。それぞれの打楽器が異なるリズムを奏で、タヒチアンダンス独特のリズムを生み出すのです。


物語を綴るということで、ダンサーの皆さんには演技力も求められますね。

タヒチアンダンスのダンサーは、俳優、女優でもあるんです。感情豊かに演技をするために、私も演技の学校に通ったりしたことがあります。演技力を求められるというのは、タヒチアンダンスの特徴のひとつですね。そういう風潮になってきたのは最近で、1990年代の後半から2000年代にかけてでしょうか。それより以前は、タヒチの生活にまつわるモノを簡単に表現するのが主流でしたが、2000年頃から人の人生の辛さ、愛などの物語要素が強くなってきました。近年、スポーツや競技としての要素も年々高まって、ほかの地域との差別化を図り、より素晴らしいショーを見せようという動きが盛んになっています。そういう面でも、構成や物語に工夫を凝らし演技を極めるというのは、重要なことですね。


10/13 MONDAY・HOLIDAY
TAHITI ORA JAPAN TOUR 2014
チケット発売中
■会場/ウインクあいち
■開演/17:00
■料金(税込)/SS¥11,000 S¥9,000 SA¥7,000 A¥5,000
■お問合せ/中京テレビ事業 TEL.052-957-3333(平日10:00〜17:00)
※未就学児入場不可