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「斎藤圭土」Web 限定インタビュー取材日:2014.11.18
「レ・フレール」として兄・守也と1台4手連弾の可能性を追求して12年。
ソロ活動ではブギ・ウギ&ブルース・ピアニストとして
伝統を継承しつつ、シーンを牽引する斎藤圭土。
様々な共演を重ねる彼が次に挑戦したのは、スーパーヴァイオリニスト、
ヴァスコ・ヴァッシレフとのユニット“Viano(ヴィアーノ)”です。
全楽曲の作曲を手掛け、ヴァスコと共に編曲をおこなった
アルバム『Dos Caballos』をメインに予定されている名古屋公演はもうすぐです!
11/28の名古屋公演は、Viano(ヴィアーノ)でのコンサートです。共演のヴァスコ・ヴァッシレフさんとの出会いは?
ソロアルバムである「音楽家たち~Keito Saito and his friends~」をリリースした際に初めてお会いして、初めてセッションしました。このアルバムを制作するときに共演するヴァイオリニストを探していて、ちょうどヴァスコさんも来日するということがあって知人を通じて紹介してもらったんです。ヴァスコさんも快く引き受けてくださって、当初はヴァイオリンソロでの演奏をお願いしようかと思っていたんですけど、一緒にセッションしたらとても気が合って。
共演してアルバムリリースからツアーまで行うとなると、音楽性の他にもヴァスコさんの人柄にも魅力を感じられたのでしょうか?
まず僕らは、ユニットまで組むぐらい気が合ったということが一番ですね。彼の人間性に惹かれたところは大きいです。人としての魅力自体、音楽にも大きく影響してきます。国籍も話す言葉も違い、音楽の学んできた経緯も全然違うわけです。なのに何かが一致するというのは音楽の不思議なところで、音楽という共通言語がつないでくれている縁を感じましたね。ヴァスコさんはとてもお茶目です。とても優しいし、気を遣ってくれますね。ロイヤル・オペラ・ハウスのコンサートマスターという地位でありながら、とても気さくに接してくださるのでやりやすかったですね。そもそもコンサートマスターは、大人数のオーケストラをまとめる役目ですよね?演奏力だけではなくて、人的魅力と牽引力がないとできないところだとは思うんです。だからそういった彼の人柄に救われた部分は大きいです
今回のこのアルバムをひとつ作っていらして、圭土さんが全曲作曲されて、編曲はヴァスコさんと二人で?
そうです。様々なヴァイオリンの技法や音色をヴァスコさんが提示してくださって、それを取り入れながら編曲していきました。オクターブの感覚もピアノとヴァイオリンでは全然違うわけで、ピアノ曲として書いた楽曲がもう全然違う曲に変るというか。ヴァスコさんのようなスーパーヴァイオリニストが自分の曲を演奏してくださるということで、作曲家としての新たな自覚が芽生えるのを感じましたね
圭土さんの作る曲は非常に耳に優しくメロディアスでありながら、演奏するに当たって難易度の高い部分が必ず伴っています。
そもそもピアノ曲をヴァイオリンで弾くこと自体、相当難しいと思うんですね。それを難なくこなされるわけです。ヴァスコさんは、「圭土が書く音楽はユニバーサルで世界共通の音楽でありながら、決して簡単な曲ではない」とおっしゃってくれました。そして、ヴァスコさんは、そんな楽曲の演奏を楽しんでくださっている気がしました。多分クラシックの曲とは別の、何か新しい発見があるんじゃないでしょうか?
圭土さんご自身も刺激を受けて、作曲家としても新たな広がりを感じられましたか?
レ・フレールとしてデビューした当時も作曲はしていましたけれど、ピアニストとしてという意識がすごく強くて。特にブギ・ウギ・ピアニストとしての立場を一番意識していたんです。ただ12年間様々な共演を重ねていく中で、自分が作る楽曲の魅力や可能性をその共演者の皆さんから教えて頂くことが沢山ありました。そこで作曲家としての意識が変わったんだと思います。
レコーディングで共演するのと、コンサートでオーディエンスの前でやるというのはまたちょっと違うと思います。
コンサートの本番中というのは、フォローしあったり駆け引きしたりということが沢山あるんです。春の共演を経験して、ふたりの中でまた特別な信頼関係が生まれたというのを、僕は凄く感じました。その後スペインで公演しましたけれど、それもこなしていく中で絆がさらに強まっていったと思います。コンサートには色んなハプニングがあって、それをどうクリアしていくかというのはコンサートミュージシャンとしての力量だと思うんです。そういった意味でもすごく相性がいいんですね。
今回のコンサートの内容をお聞かせください。
今回はVianoのアルバム『Dos Caballos(ドス・カバージョス)』(ユニバーサル ミュージック)の曲を中心にしながら進めていきます。デュオでの演奏することが多くなると思いますが、ヴァスコさんもご自身のアルバムをリリースしたところですので前回同様、ソロの演奏も織り交ぜていきたいです。新しい音楽だという意識はあるので、そこにまず注目してもらいたい。クラシックの名曲やタンゴのスタンダードな曲も演奏したり、そういったところで楽しんでもらえるんじゃないかと思います。そして僕の作曲した曲というのは「現在」の曲なので、その瞬間に立ち会ってもらえたらなと思います。曲というのは僕が死んでも残っていくものですが、今はそれを作り上げている瞬間だと感じています。聴いて頂く皆さんにもそう思ってもらえるといいかなと思います。
11/28 FRIDAY
KEITO&VASKO “Viano”
2014 JAPAN TOUR ENCORE
チケット発売中
■会場/名古屋・中電ホール
■開演/19:00
■料金(税込)/¥6,500
■お問合せ/クラシック名古屋TEL.052-678-5310
ジーコーポレーションTEL.0561-63-4560
※未就学児入場不可