HOME > Web 限定インタビュー > 「Riverdanceメンバー」インタビュー


「Riverdanceメンバー」Web 限定インタビュー
取材日:2015.03.12


首都ダブリンで1995年に初演を果たしてから20周年。
アイルランドが誇るパフォーミングアートとして世界中を魅了してきた
〈リバーダンス〉が7年ぶりに日本へやってくる! 
公演に先駆けて男女6人のダンサー、
ジェイソン、エマ、ブレンダン、ダレン、シボーン、ジアンナが来日。
14年ぶりの新演目など見どころに加え、
あらためて〈リバーダンス〉がもたらしたものについても尋ねた。

「アンナ・リヴィア」は、20世紀を代表するアイルランドの作家ジェイムズ・ジョイスの「フィネガンズ・ウェイク」の言葉を引用して創作された新演目なんですよね。

エマ:ええ。『フィネガンズ・ウェイク』は“アンナ・リヴィア”という女性に擬人化してリフィー川を描いた作品ということもあって、私たちは女性讃歌として表現しています。まず女性シンガーによるアカペラの歌で始まり、そこにドラムビートが入って、女性ダンサーだけのパフォーマンスにつながっていくという…。〈リバーダンス〉の中には『サンダー・ストーム(落雷)』という男性だけのパワフルな演目があるんですけど、それと対を成すというのか、コール&レスポンスみたいな意味合いも持たせています。女性でも、これだけ力強く踊れるんだぞと。

ジアンナ:実際この演目は、UKツアーの時すごく反応がよかったんですよ。私だけかもしれないけど、伝わったという手応えが強くて、踊っていて気持ちよかったですね。



リフィー川はアイルランドの象徴であり、〈リバーダンス〉が生まれたポイントシアターもリフィー川河畔ですから、もともとみなさんにとって大切な存在なんですよね。ちなみに、アイルランドの人々にとってジョイスは親しみ深い作家なんでしょうか?

エマ:私は授業で読みましたけど、ゲール語(日本の古語のようなもの)で書かれているので、特に若い世代には親しまれていると言えないですね。だから、アイルランド人自体にも〈リバーダンス〉を通じて知ってほしいと思っています。

ジェイソン:そうだよね。若い世代の間では、自国の文化の言直しや復興運動が起きているので、そういう流れの中でもジョイスを知ってもらえたらいいです。

ジアンナ:もともとあった文化との縁が戻り、例えば(タブレットやスマートフォンではなく)本の良さなんかにも、人が戻ってくるといいですよね。

ジアンナさんは、今日のメンバー6人の中では唯一アイルランド出身ではなく、オーストラリアご出身ですね。他にもロシアやスペインの方々がご在籍だとうかがっています。

ジアンナ:私の場合、母がバレエを習わせてくれたんですけど、その教室でアイリッシュ・ダンスも教えていたんです。それで始めることになりました。

シボーン:(個別取材の前に行われた)記者会見の時、11歳の少女が急きょ披露してくれたように、今は世界中にアイリッシュ・ダンスをやっている子どもたちがいます。その中にはアイルランドと特に関係のない子どもも多いです。

ブレンダン:アイルランドの血が流れていなくても、アイルランドの文化を知ったり、理解することはできるんです。〈リバーダンス〉は、そのきっかけになれたらいいですよね。




確かに、アイルランドからは遠く離れた我が国・日本でも〈リバーダンス〉は人気です。初めて観ても不思議と懐かしい心地にさせられるというか…。島国同士ですし、独自の文化が育まれてきたことなど、日本に共通性を感じるところってありますか。

シボーン:お互い小さな国で長い歴史があり、音楽にも民族的だったり土着的だったりする面がうかがえますよね? 例えば(和太鼓の国際的グループ)鼓童を聞いたりしても、共通点を感じることはできます。

話は戻りますが、記者会見ではダレンさんが「アイリッシュ・ダンスの頂点を目指すとなると、昔も今も〈リバーダンス〉。それが仕事になっていて、自分は幸せだ」というようなコメントをなさいました。あらためて〈リバーダンス〉は、他のアイリッシュ・ダンスのステージと何が違うのでしょうか。

ブレンダン:それは、伝統的だったアイリッシュ・ダンスを新しいものに仕立て、“アート”として確立したところにあると思います。そして、それを最初に始めたことも大きいでしょうね。

エマ:アイリッシュ・ダンスは何世紀も前からあり、私も子どもの頃から遊びとか趣味の感覚で踊ってきましたが、〈リバーダンス〉でダンサーが横一線に並び、しかもリードダンサーが腕を使ったことにはとても驚きました。アイリッシュ・ダンスが、違うレベルと言うのか、ひとつ上のレベルと言うのか、モダンなものに生まれ変わったんです

ブレンダン:1994年にテレビで放映され、〈リバーダンス〉誕生のきっかけとなった7分間のショーは、初演以来変わらず1幕の最後を飾る演目なんですけど、いまだにゾクゾクしますもんね。子どもの頃に体験した衝撃が甦るんですよ。


ところで、世界各地で公演を行ってきた中で、思い出に残っている場所やエピソードなどありますか。

ダレン:(中東)ガザのピラミッドの前で踊ったことは記憶に鮮やかですね。屋外で風を受けながらのショーでした。僕たちの後が、マライア・キャリーだったことも印象深い(笑)。他にも南アフリカやシンガポールなど、ひとつに絞るのは難しいほど、いろんな場所の思い出が残っていますよ。


4/22 WEDNESDAY~26 SUNDAY
Riverdance 20years “the anniversary tour”
チケット発売中
■会場/愛知県芸術劇場大ホール
■開演/4月22日(水)19:00
4月23日(木)・4月24日(金)14:00
4月25日(土)13:00、18:00
4月26日(日)12:00、17:00
■料金/S¥11,000 A¥9,000 B¥6,500
■お問合せ/キョードー東海 TEL.052-972-7466
※6歳以上有料、6歳未満は入場不可