TikTokにアップした3年目の楽曲が多くの人の心を捉え、楽曲をBGMにした動画が27000タイトル以上もネット上を駆け巡って、今やシンガーソングライターの超新星として注目される存在となった川崎鷹也。SNSによるヒットという今の時代ならではのブレイクとなったが、その音楽世界は深い人間観察による心象のスケッチ。世代を超えて歌心を大事にしたいというスタイルはSNS拡散以降も多くのリスナーを虜にしている。また先日発表された松本隆トリビュートアルバムでは大瀧詠一の名曲「君は天然色」をカバーして話題となった。初のワンマンライブへの熱い思いを聞きました。

TiKTokで「魔法の絨毯」が大ブレイクして、一躍スターダムに駆け上がられたわけですが、その現象についてどんな感想を持たれていますか？

TikTokから出たてきたミュージシャンが、こんなに多くのメディアや場所に呼んでいただけているという現実に正直に驚いています。ただTikTokという新しいメディアの中で自分のスタイルを貫き通したことは、間違いではなかったんだという達成感に変わってきています。

音楽を始められた時期がけっこう遅かったと聞いています。どんなきっかけでシンガーソングライターという選択をされたんですか？

今も最もリスペクトしているのは玉置浩二さんで、もちろん山下達郎さんや桑田佳祐さんなど、僕の親世代の聞いていた時代のポップスが大好きでした。どれもまず歌心が中心にあって、歌うことへの憧れがありました。地元は栃木の田舎でしたから、とにかくシンガーになりたくて東京の音楽専門学校へと進学したのが音楽との本格的な出会いで、学校に入ってからギターを弾き始めました。実は父親はハードなパンクロックファンで、小さい頃にギターの手ほどきを受けていたのもあって、違和感なくギターを選んだという感じです。
専門学校に入学した当初はバンドを組んだりもしましたが、やはりお客さんに合わせてセットリストを急に組み替えたり、テンポを変えたりという自由度の高さはソロの弾き語りだったら比較的簡単に出来てしまう。ソロの弾き語りというスタイルがいちばん自分に合っていたと思います。
親に無理をいって栃木から東京に出てきましたし、絶対にプロになろうと意地で様々な場所でライブをしてきました。でも観客がゼロの日も当然あって、そんな時は俺何やってんだろうって思うときもありました。とにかく30歳までは音楽を続けようと思ってやってました。

松本隆さんの作詞活動50周年を記念したトリビュートアルバムで「君は天然色」をカバーされて話題になっていますが、ご自身ではこの企画のお話をどう捉えられましたか？

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