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「鈴鹿央士」スペシャルインタビュー取材日:2024.01.25
印象派がヨーロッパやアメリカへもたらした影響をたどる展覧会が開催される。
アメリカ・ボストン近郊にある
ウスター美術館のコレクションからモネの睡蓮にくわえ、
ドイツや北欧、アメリカの知られざる印象派作品が一堂に会している。
展覧会のオフィシャルサポーターに就任した俳優の鈴鹿央士が、
絵画の魅力や自身のアート体験を語った。
オフィシャルサポーターに選ばれたお気持ちはいかがですか。
すごくわくわくしています。僕は作品を写真でしか見たことがなかったのですが、実際に見てみると大きさや質感、立体感などがこんなにも違うものなのかと驚きました。モネの睡蓮や日本初上陸の作品もあるので、この機会に絵画の温度感や匂いみたいなものを感じる体験をしていただきたいです。
鈴鹿さんが印象に残った作品はありますか?
20世紀前半に活躍したアメリカ人画家のデウィット・パーシャルがグランドキャニオンを描いた作品、《ハーミット・クリーク・キャニオン》が好きです。雲の流れ方に躍動感があって、「パーシャルが描いたときは風が強かったのかな」とか、想像を膨らませるのが面白かったです。
音声ガイドのナレーションにも初挑戦されています。
収録はわりとスムーズに進んだのですが、ところどころ出身地である岡山弁のイントネーションが出てしまって苦労しました(笑)作品を所蔵しているウスター美術館は地域密着型の美術館なので、僕も聞いてくださるお客様と一緒に展覧会を回っているような気持ちで、リラックスした雰囲気を出せるように心がけました。おすすめポイントは「央士クイズ」です。絵についてプラスアルファの知識を増やせる、優しいクイズを出題しているので楽しみにしていてください。
展覧会のグッズも充実しています。お気に入りはありますか?
グッズはたくさんの種類があるので、お土産を選ぶのが楽しくなりますよね。僕が欲しいなと思ったのはノートです。モネの睡蓮が表紙と裏表紙にプリントされているのですが、ページを開くと一筆書きのような睡蓮のイラストが入っていてお洒落なんです。僕はいつもノートに、スケジュールや仕事で気になったこと、役作りについて考えたことなどを書いていますが、みなさんも自由に使ってみてほしいです。
ご自身は、絵を描くのは得意ですか?
僕は本当に絵心がないんです…。今年の干支を描いてくださいと頼まれたときに、龍を描いたつもりがミジンコになってしまったくらい(笑)。
絵は描くより、見る方がお好きなんですね。
はい、家のインテリアとしてポスターや絵を飾っています。古いポスターが好きで、海外ファッション系の広告などをポスター屋さんや通販で探して買っています。一時期は服のブランドが出しているポスターを集めていたこともありました。ただ丸が描かれているだけの、よくわからないデザインだったりするんですけど、なぜか惹かれるものがあったんですよね。いま飾っているのは熊のモンスターの版画です。カワコワい(可愛い+怖い)ところが気に入っています(笑)。
日常でアートに触れるのは、どんなときですか。
SNSで気になったアーティストの作品を見に行くこともありますし、散歩の途中でふらっとギャラリーに入ることもあります。知らない街を歩いていて、新しいアートに出会えると嬉しいです。
写真を撮るのも趣味だと伺いました。
写真を撮るときは、自分が綺麗だなとか好きだなと思った瞬間に、直感的にシャッターを押すようにしています。印象派は自然や風景の一瞬の美しさを切り取っているので、写真と似ているなと思います。
役作りも直感型?
どうだろう、直感で動くときもあるし、考えてつくり込むときもあります。でも、撮影現場では直感を優先しているかもしれない。監督が芝居に求めることや、相手の役者との間合いなど、いろんなことに柔軟でいることが大切なのかなと思います。
展覧会のテーマのひとつとして「フランス印象派がアメリカ絵画に与えた影響」があります。鈴鹿さんが役者として影響を受けた人はいますか
僕は影響を受けやすいタイプの人間なので、共演者の方々や、自分が見た映画の俳優さんなどから、その時々でインスピレーションをもらっています。ただ、自分がなりたいというとおこがましいですが…憧れるのは、俳優のトニー・レオンさんです。独特の雰囲気があって、すごく惹きつけられて、かっこいいです。僕も唯一無二の個性や存在感を出せるような役者になりたいです。
海外でも活躍したいという夢はありますか。
まだアメリカも行ったことがないのですが、海外に行ってみたいという気持ちはすごくあります。最近では韓国や台湾とエンターテインメントの交流が深まっている印象があるので、いつか作品で関わることができたらと思います。
展覧会はあべのハルカス美術館で開催されます。大阪のどんなところがお好きですか?
たこ焼きが大好きです。仲良くしている監督さんが関西出身の方なので、よくタコパしたりするんですけど、いつもこだわりの美味しいたこ焼きを作ってくれるので感謝しています。
来場者のみなさまにメッセージをお願いします。
僕が感じたのは、見た後に元気になれる展覧会だということ。“印象派”とか“展覧会”というと、神経を使って疲れるイメージがあるかもしれませんが、ぜんぜんそんなことありません。1枚1枚の絵からパワーをもらって、爽やかで穏やかな気持ちになれます。本当に気軽に見ることができる展覧会なので、ショッピングのついでにふらっと来ていただけたら嬉しいです。
◎Interview&Text/北島あや
◎Photo/中野建太
10/12 SATURDAY〜’251/5 SUNDAY
印象派モネからアメリカへ
ウスター美術館所蔵
■会場/あべのハルカス美術館
■時間/火~金10:00~20:00
月・土・日・祝10:00~18:00
※入館は閉館30分前まで
■お問合せ/あべのハルカス美術館 TEL.06-4399-9050(10:00~17:00)