HOME > SPECIAL INTERVIEW > 「中村倫也」インタビュー


「中村倫也」スペシャルインタビュー
取材日:2024.05.17


2024年劇団☆新感線44周年興行・夏秋公演 いのうえ歌舞伎『バサラオ』は、
中島かずき(作)の新機軸としてのダークスペクタクルとなる意欲作。
主役ヒュウガは美しい顔を使ってヒノモトの統一を企む。
そんなヒュウガに惹きつけられつつも
謎多き存在のカイリが手を結び幕府転覆を目指す。
そのヒュウガ役に生田斗真。そしてカイリ役には生田の盟友である中村倫也。
全97公演という途方もないロングラン公演の前に、中村倫也に聞いた。


今作への出演が決まった経緯はどういったものだったんですか?

最初は、生田斗真くん、古田新太さんと共演する、楽しい珍道中モノの軽いお芝居って聞いていたんですが、気づけば美しい男が野望を抱くダークスペクタクル。ピカレスク・ロマンという複雑な芝居で、主役の斗真くんより僕の方が出番もセリフも多いという内容になっていて、びっくりしました。僕の演じるカイリという役は、主役のヒュウガにある種の憧れを持っているにもかかわらず、ミステリアスな難しい役どころだなと思います。役者にとってはすごくモチベーションが上がる役ですね。


生田斗真さんとは『VampBambooBurn〜ヴァン・バン・バーン〜』(2016年)以来の劇団☆新感線との共演となります。生田さんの役どころに関してはどう思われていますか?また生田さんは中村さんの、この6年間に身につけたモノをぶつけて欲しいと言われていますが、どんな部分がこの6年で変わりましたか?

斗真くん演じるヒュウガは、美しい顔だけでヒノモトを統一するという野望を持っている稀なる美男という設定ですが、僕の知ってる斗真くんには全然そういう要素がなくて、彼自身もどうやら悩んでるみたいなんです。なんだかそういう美し過ぎる役を演じるのが恥ずかしいみたいですから、そんなシャイな生田斗真に、もっとやれ!ってけしかけるのをモットーに共演に臨もうと思っています。この6年で変わったこと…、現場に鎧や武器を持たずに自然体で行くようになったことが大きな変化じゃないかと思います。昔は様々な準備をして現場に臨んでいましたが、今は自然体で入れるようになったこと。その瞬間瞬間に対応できるスキルが身についたことかなと思います。

今回は博多座、明治座、そして大阪フェスティバルホールでの全97回の公演数で、劇団☆新感線史上最長となる公演数だそうですね。精神的にも体力的にもすごく大変だと思いますが、ご自身ではどう準備されますか?

僕にとっても『ロッキー・ホラー・ショー』(2011年)以来のロングランで、最長記録となります。普通はこのサイズだとダブルキャストになったりするものですが、それをあえてやらないのが劇団☆新感線っぽいなと思って、ほんとにありがたいなと心から思っています(笑)食べるもの、体調を万全に整えて、とにかく睡眠をとって、肉を食べていれば大丈夫じゃないかと思っています。

また今作では生田斗真さん、中村倫也さん、そして古田新太さんの3人が共演するのが初めてということですが、古田新太さんは中村さんにとってどんな存在ですか?

役者というカテゴリーでは計り知れない人です。たぶん他の人とは見ている景色が違うんじゃないですかね。大先輩としてリスペクトはもちろんあるわけですが、単なる憧れとかはないです。お互いに舞台に立つ役者同士ですから、僕も古田さんもお互いを客観視してるんじゃないかなと思います。でも結局、わからない人という印象です。本番でも、突然アドリブを振ってこられますが、こちらも安心して受けられる計算されたアドリブなんです。そこは流石だなって思います。


大阪公演は劇団☆新感線のホームグラウンドでもあるフェスティバルホールですが、大阪公演で楽しみにしていることなど、ありますか?

フェスティバルホールでの出演は、『VampBamboo Burn〜ヴァン・バン・バーン〜』以来で、6年ぶりの舞台に斗真くんと一緒に立てることがすごく嬉しいですし、今から大阪公演が楽しみです。最初に動きをつけてタイミングを口伝でやってくださいます。いのうえさんの演出はとても具体的で、自分に合った芝居作りをしてくださる方ですし、こちらも、いのうえさんの意図がすごくわかるんです。また、本番ごとにいろんなアイデアを試して行かれる方なので、大阪公演の時には、そういった演出の足し引きを何度も重ねた、ある意味での完成形になっていってるんじゃないかと思っていてください。演じる我々も、そんないのうえさんの演出を楽しみにしています。そして大阪公演では、劇団☆新感線といえば、の「揚子江ラーメン」には是非時間を作って、また行きたいです(笑)。

◎Interview&Text/石原卓
◎Photo/安田慎一
◎衣装/CROSSES TOKYO/Sian PR 
シャツ¥30,800 ジャケット¥74,800 パンツ¥41,800 (全て税込)
《お問合せ》Sian PR TEL.03-6662-5525
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷2-2-3 ルカビルⅡ 2F〜3F



10/5 SATURDAY〜17 THURSDAY
2024年劇団☆新感線44周年興行・夏秋公演
いのうえ歌舞伎『バサラオ』

■会場/フェスティバルホール
■開演/12:00、14:00、17:30
■料金(税込)/全席指定 S¥16,500 A¥12,500 ヤングチケット¥2,200
■お問合せ/キョードーインフォメーション
TEL.0570-200-888(11:00~18:00 日・祝休)