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「松本幸四郎」スペシャルインタビュー取材日:2022.02.16
ブルーマングループワールドツアーが日本を皮切りに開催。
2019年の日本公演からさらにバージョンアップし、
新キャラクター「The Musician」が加わりパフォーマンスを盛り上げます。
今回はブルーマングループ公認の「歌舞伎界のブルーマン」こと、
歌舞伎俳優の松本幸四郎が、その魅力を語ってくれました。
2011年にブルーマンを初めてご覧になったんですね。その時どんな感想をお持ちになりましたか?
もう11年も前になりますか。そんなに時が経ったことも驚きで、ついこの間のような気がしています。観た時はもちろん興奮しましたし、素直に「楽しい」という気持ちになれた瞬間でもありました。またもう一つは「懐かしい」という気持ちを覚えました。ブルーマンのやっていることって私たちが子供の頃に遊んでいたことだったり、やったら親に怒られそうなことですよね。「こんなことやってみたいな、あんなことやったらどうなるんだろう?」と思っていたことを、大人になった今、ブルーマンがステージ上でやっている様子を見て「そうなんだよね!」って思い出させてくれる喜びや懐かしさを感じさせてくれました。
歌舞伎俳優という目線から見てブルーマンはどのような存在でしょうか?
「こういうことがエンターテインメントなんだよね」と思わせてくれました。私もエンターテインメントの世界に身を置く一人として、「ブルーマンになってみたいかな〜」と感じています。「なってみたい」とは断言できませんが(笑)。
歌舞伎とブルーマンの共通点はどのようなことでしょうか?
歌舞伎も最初はどれだけ人を喜ばせられるか、驚かせられるかというところから始まっています。現在は歴史も伴ってきて芸術としても存在していますが、根底には同じ精神が宿っています。生きた演劇としてお客様にどれだけ喜んで頂けるかという気持ちは変わりません。歌舞伎の語源にもなっている「傾く(かぶく)」という言葉がありますが、これはもうパンクなんだと思います。ただ斜に構えることだけではなく、何か信念のあるワルというようなものが歌舞伎の根本にはあるのではないかと。喜びや刺激を感じてもらえるエンターテインメントであるということが、ブルーマンと歌舞伎の共通点なのではないでしょうか。
パンクの精神、傾くということを幸四郎さんは歌舞伎俳優としてどのように体現されていらっしゃいますか?
先人が歌舞伎を続けてきた中で生まれた精神自体でしょうか。歌舞伎はいつも存在し続け、必要とされ続けてきた。今は大変な時代ではありますけど、だからこそ、今多くの人に必要とされる存在になりたいという、そういう強い気持ちで今舞台に立っている心境はあります。今の人にも「歌舞伎スゲー!」って思われることを目指しています。今の人に向けてというのは、やはりパンクな部分なんじゃないでしょうか?例えば忠臣蔵。これは実際にあった事件であって、史実としては浅野内匠頭が切腹したことを内蔵助は赤穂で聞くわけです。それか歌舞伎の「仮名手本忠臣蔵」では、内匠頭が切腹したら大石が駆けつけて、まだ生きているうちに出会えるっていう(笑)。歴史を何で変えるんだっていう、それこそパンクであり傾いていると感じます。でもそれは、内匠頭が生きているうちに大石に会わせたかったなという人々の願望だったり、間に合ってよかったっていうような、何か夢を見せてくれるんです。これこそ歌舞伎の真骨頂だなと思いますし、その精神を忘れずに務めなければならないですね。
ブルーマンは言葉を発しませんが、観客の皆さんとのコミュニケーションで楽しませます。同じエンターテイナーとしてこの辺りはどのようにお感じになりますか?
歌舞伎の芝居の中では、表面的にはお客様とのコミュニケーションはありません。しかし今の忠臣蔵の話のように、物語や演出でお客さんをどれだけ喜ばせられるか、楽しんでもらうかということ。これもお客様とのコミュニケーションと言えるのではないでしょうか。その工夫に対して、お客様が芝居に共鳴して一緒に泣き、笑う。喜怒哀楽を共有すると同時に、歌舞伎を観劇するというより体感する。歌舞伎の舞台も、お客様と力を合わせて一つの世界を作る時間だと思うんです。ライブパフォーマンスである意味もそこにありますよね。
歌舞伎ファンの皆さんにもブルーマンをお勧めしてください。
歌舞伎は日本で400年以上前に生まれたエンターテインメントです。それが歴史を重ねて、芸術・伝統芸能になりながら存在しています。ただし現在の歌舞伎は、昔の人が作ったものを紹介するためだけにあるわけではありません。劇場に来て頂いた方に、芝居を観て感動して頂くことを常に目指しているのです。そのために演出や演技、踊りに志向を凝らしています。その立場はブルーマンのステージと何ら変わりはありません。同じ精神を持ったエンターテインメントであるということです。
◎Interview&Text/福村明弘
◎Photo/中野建太
■MESSAGE FROM BLUE MAN GROUP
日本はブルーマン・グループの歴史の中で特別な位置を占めています。 4年間の東京での常設(レジデンス)公演からツアー公演の成功まで、日本の観客は常にブルーマンを受け入れてきました。2019年の日本ツアーでは、東京、名古屋、大阪での公演で70,000人以上を動員し、ソールドアウトとなる大成功を収めました。今回のワールドツアーでは、新たな女性キャラクター“TheMusician”が加わることが決定しました。青い髪 が印象的なこのユニークな人物とマルチ奏者は、文字通り、そして比喩的に作品に彩りを添えてくれることでしょう。BlueMenによって生み出された彼女は、シャーマンのような存在として、舞台上でその夜の儀式を司るのです。彼女は、伝統的なバンドの代わりに、その素晴らしいドラミングとパーカッションのスキルを観客に披露してくれることでしょう。私たちはこの素晴らしい国で再び成功を収めることを楽しみにしています。
ブルーマングループ ワールドツアー
IN JAPAN 2022
〈名古屋公演〉
5/11 WEDNESDAY〜15 SUNDAY
◎チケット発売中
■会場/愛知県芸術劇場 大ホール
■開演/5月11日(水)・12日(木)19:00
5月13日(金)14:00、19:00
5月14日(土)13:00、17:00
5月15日(日)13:00、16:00
■料金(税込)/全席指定
[大人]VIP席¥15,000 ポンチョシート¥11,000
S¥9,800 A¥8,800
[こども]VIP席¥13,000 ポンチョシート¥9,000
S¥7,800 A¥6,800
■お問合せ/中京テレビ事業
TEL.052-588-4477(平日11:00~17:00/土・日・祝日 休業)
※未就学児入場不可、こども料金は小中学生対象
〈大阪公演〉
5/18 WEDNESDAY〜22 SUNDAY
◎チケット発売中
■会場/オリックス劇場
■開演/5月18日(水)・19日(木)19:00
5月20日(金)14:00、19:00
5月21日(土)・22日(日)12:00、16:00
■料金(税込)/全席指定
[大人]VIP席¥15,000 ポンチョシート¥11,000
S¥9,800 A¥8,800 B¥7,800
[こども]VIP席¥13,000 ポンチョシート¥9,000
S¥7,800 A¥6,800 B¥5,800
■お問合せ/キョードーインフォメーション
TEL.0570-200-888(月~土11:00~16:00、日・祝は休み)
※未就学児入場不可、こども料金は小中学生対象