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「吉村妃鞠」スペシャルインタビュー取材日:2021.04.18
舞台上のスクリーンにオードリー・ヘプバーンの名作映画を投影しながら、
中部フィルハーモニー交響楽団の生演奏を楽しむスペシャル公演
「シンフォニック・シネマ」が6月に愛知県芸術劇場で開催。
第1部は名画を彩るクラシックの名曲コンサート。
当日の指揮を担当する竹本泰蔵によるトーク・コーナも注目だが、
9歳の新星・吉村妃鞠がソリストを務める
チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲(第1楽章)も聴き逃せない。
今、小学4年生ですね。コロナ禍で学校もたいへんでしょう。
前みたいに学校が休みにならなくてよかった。でも去年いちばん悲しかったのはいろんなコンサートが中止や延期になったことです。
きっと毎日、何時間も練習されているのでしょうね。でもヴァイオリンだけじゃなくて、英語やドイツ語も勉強されているとか…漢字も得意だと聞きましたよ。
漢字には2歳から興味を持っていて、4歳の頃には小学2年生で習うものを読んだり書いたりできました。今も勉強は続けています。英語やドイツ語は海外でレッスンを受けたり、インタビューに答える時に絶対必要なのでもっと頑張らないと!(オーストリアはあるけれど)ドイツにまだ行ったことがないので、行ってみたいです。
6月の「シンフォニック・シネマ」コンサートでは、第1部で(映画《オーケストラ》や《殺したいほど愛されて》等に登場する)チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲・第1楽章を演奏されますね。
今回は第1楽章だけですが7月には初めて第3楽章まで全楽章を弾く演奏会もあります。でも協奏曲でいちばん難しいのはたいていが第1楽章なので、そこを頑張って越えたら、後はその勢いに乗ってノリノリで弾けると思います。
既に世界の様々な一流オーケストラと共演されていますが、緊張したりしますか?
自分の演奏をするだけです!共演者にあわせて演奏をコロコロ変えたら結局は自分の音楽ではなくなってしまうから、ある程度かためておいて、その上で例えば「ここはもう少しこうしてほしい」って指揮者に相談されたら、その時は考えるようにしています。6月に共演する)竹本(泰蔵)先生とは前にも共演しています。わたしにあわせてくださるのでありがたいです。
室内楽のようにピアノと一緒に演奏するのと、協奏曲のようにオーケストラと一緒に演奏するのと、どちらが好きですか?
協奏曲が好きです。私が弾く音にオーケストラのたくさんの人たちがあわせてくれるのがとても気持ちがいいです。
チャイコフスキーのコンチェルトを弾く時にどんなことを考えますか?
いろんな旋律が物悲しいので、これはチャイコフスキーの“悲しみ”なのかもしれないって思いながら弾いています。あと、モスクワに行ったことがあるので、あの寒さを想い出したリ。
今から150年も昔に書かれた曲を、今も大勢の人が演奏しているって凄いことですよね。
たぶんチャイコフスキー自身も、こんな世界中のヴァイオリニスト全員に弾かれる曲になるとは、書いた時には思っていなかったと思う。
作曲家の人生について深く知ると、ただ楽譜だけを見て弾くよりも、演奏に深みが出るのではないでしょうか…聴く方も同じですが。そういえばお母様の吉田恭子さんも、いろんな作曲家の人生に詳しい方ですものね。
はい、凄くよく知っています。だからインタビューで作曲家について質問されて私が答えられないでいると、どうしたの?っていう顔でこっちを見ます(笑)。
作曲家では誰が好きですか?
今いちばんはまっているのはバルトークかな。音楽的にも面白いし、その人生にも興味があるのでもっと調べたいです。いちばん弾けるようになりたいのはコルンゴルトのヴァイオリン協奏曲。でももう少し経験を積んでからにした方がいいって(先輩たち)みんなにアドバイスされました。
楽しみです。演奏家として輝かしい未来が目の前に広がっていますね。
あまり先の事は考えないようにしているけれど、ベルリン・フィルやウィーン・フィルと共演するようなヴァイオリニストになるのが目標です。ベルリン・フィルには友達もいっぱいいます。来日した時に特別に会わせていただいてメールを交換したりしました。みんな凄く優しい! ザルツブルクに行ったときにも会いました。
尊敬するヴァイオリニストは?どんな演奏家になりたいですか?
昔、母が習っていたアーロン・ローザンドさんや、その弟子のレイ・チェンさんのことを尊敬しています。人を感動させる演奏家になりたい。
ところで名古屋には行ったことがありますか?
まだ行ったことないです。いつも新幹線に乗って大阪とか行く時に「あっ名古屋だ」と思いながら通り過ぎちゃうので、やっと今回名古屋で降りるのを楽しみにしています。
美味しいものがいっぱいあるんですよ。食べ物で好き嫌いはありますか?
ないです。外国に行っても困らない。日本の食べ物も、わさび以外は大好き…わさびはまだ無理です。
名古屋の皆さんも吉村さんが来るのを楽しみに待っていると思います。
待っている人なんているかな?演奏を聴いていただけるだけで嬉しいです。一生懸命に練習して皆さんの期待に応えたい!
ちなみに映画はお好きですか?
まだ映画館に行ったことがないです。家では《サウンド・オブ・ミュージック》とかを観ました。オードリー・ヘプバーンの映画もこれからたくさん観てみたいです。
◎Interview&Text/東端哲也
◎Photo/安田慎一
6/27 SUNDAY
シンフォニック・シネマ
〜オードリー・ヘプバーン映像付きコンサート〜
■会場/愛知県芸術劇場コンサートホール
■開演/14:30
■料金(税込)/全席指定 S¥6,000 A¥5,000
■お問合せ/東海テレビ放送 事業部 TEL.052-954-1107(平日10:00~18:00)
※未就学児入場不可
