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「ブルーマングループ」スペシャルインタビュー
取材日:2024.07.01


真っ青で一見すると無表情の顔にドキッとしても、
気づけば誰もが彼らに夢中。ブルーマングループは、
セリフを発しないステージで国や文化、年齢、性別を越えて
驚きと興奮、歓喜をもたらし、世界中を席巻してきた。
観客は、時にスタンディングで盛り上がり時にイジられ、時に胸がキューッとなる。
音や光、色彩にあふれ、哲学をも感じる
ブルーマンの世界は、他にはない体験の連続だ。
そんな唯一無二のショーが2024年、最新バージョンとなって日本にやってくる。
前回のジャパンツアーにはなかったロックバンドの生演奏も加わり、
さらにパワーアップ。
全貌を知るシニアアーティスティックディレクター、
マイケル・ダーレンに話を聞いた。


ロック、アート、コメディ、テクノロジーは「ブルーマン」に不可欠な要素となっています。その経緯を教えてください。

ブルーマングループは、ルールを破り、従来の演劇や音楽の形にとらわれず、作り手が作りたかったから生まれたのだと思ってます。彼らのショーにおけるロック・ミュージックの影響という点で、そのサウンドはパンクロックと前衛演劇の融合を強く反映していると考えられます。ブルーマングループのショーは、常識というものに対する挑戦として作られました。彼らのステージからは、セックス・ピストルズ、イギー・ポップ、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、ローリー・アンダーソン、パティ・スミスなどが思い浮かびますよね。私からすれば、これらのアーティストがショーに大きな影響を与えたと思うんです。ブルーマングループの初期の化身(キャラクター)は、「サロン」スタイルのグループミーティングを通じて生まれました。アート作品や音楽、テクノロジーに関する記事などを持ち寄って、みんなで議論したり、反応し合ったりしていたんです。それこそが、ブルーマンを始めた人たちが当時最も興味を持ち、影響を受けたことであり、このショーではそうした初期の興味が表現されています。ブルーマングループは培った経験を活かし、今なお変わらない取り組みを続けています。

今回から追加されるコンテンツもあるそうですね。

2024年バージョンのツアーでは、クラシックなコンテンツと新しいコンテンツがうまくミックスされています。もちろん、新コンテンツは好評を得ると思いますよ。一緒に劇場空間を共有し、一緒に楽しめる瞬間が待ち切れません。ショーに来てくださるみなさんは、その場にいる人たちとのつながりを強く感じることができて、きっと幸せでワクワクしながら帰っていくことと確信しています。

ブルーマングループのショーは、ロックコンサートのように始まり、なんとも言えない不思議な一体感で終わる印象です。構成で気をつけていることはありますか。

このプログラムは、簡単には認識できないかもしれませんが、強いスルーライン(一貫した流れ)を持っています。簡単に認識できないとぃうのは、観客が伝統的な物語形式の演劇を見ているわけではないからです。 私は、ブルーマンのキャラクターが新しい観客と何に立ち向かうかに焦点を当てています。観客とブルーマンたちは、毎回リアルタイムでその場を共有します。ブルーマンにとっては、出会う観客ごとにまったく新しい体験が生まれるんです。それは私が演劇体験について考える上で魅力的な方法なので、ショーを演出する上でも最も重視しているところです。公演地の劇場の差異による課題はありますが、どこに座っても、誰にとっても、本当に楽しい体験ができるように最善を尽くしています。



ポンチョ席に代表される大胆な演出も見どころですね。

まず警告しておきますね。ブルーマングループのショーでは、彼らに近づき過ぎると水しぶきなどがかかる可能性があります! そのため、客席前方の数列にはポンチョを提供しています。しかし、観客は先ほどお話ししたパンクロックのエネルギーに由来する別のテーマにぶつかっているとも思うんですよ。それが、ひと言で言えば「大胆さ」なんです。ブルーマンは、私たちの両親がやってはいけないと言ったことをすべて行います。ブルーマンは好奇心旺盛で、手に負えない子どもなんです。食べ物で遊んだり、物を投げたり、口にくわえたり、ドラム缶に絵の具を流し込んだり、素晴らしく混沌とした混乱を引き起こしたりします。ただし、私たちは混乱させるための混乱を作っているのではありません。混乱は、彼らの好奇心や観客を理解するために必要な行為の副産物に過ぎません。ブルーマンたちの振る舞いは、あらゆる物事の中にある原始的な何かを刺激するものであり、見ていて楽しいですよ。

日本は昨年、新型コロナウイルス感染症の法的状況が緩和され、劇場も活気を取り戻しつつあります。ブルーマングループが大切にしてきた「つながり」や「コミュニケーション」への想いを、今あらためてお聞かせください。

コロナ禍によって世界中のライブエンタテイメントの明かりが消えました。それは私たち全員にとって非常に辛い時期でした。しかし、ことわざにあるように、ショーは続けなければなりません。コロナ禍で物理的な距離を保たなければならない場合でも、ブルーマングループは観客と「つながる」方法を見つけました。しかし、それは以前と同じではありませんでした。規制が緩和され始めた今回、いつものように観客とつながることができてうれしいですね。観客とブルーマンは、コロナ禍から回復した今、そのことをより高く評価しているというか、強く歓迎していると思いますよ。

日本で楽しみにしていることはありますか。

私自身は今回が初めての日本訪問となります。というわけで、楽しみにしているのは、食べ物、食べ物、食べ物! そして、日本の文化を直接体験することです。新しい街に行くことは大好き。みなさんにお会いできる日が待ち遠しいです!!

◎Interview&Text/小島祐未子



9/13 FRIDAY~16 MONDAY・HOLIDAY
「ブルーマングループ ジャパンツアー2024」
■会場/愛知県芸術劇場大ホール
■開演/9月13日(金)19:00
9月14日(土)・15日(日)13:00、17:00
9月16日(月・祝)13:00
■料金(税込)/VIP席¥16,000(完売) ポンチョ席¥12,000(完売)
S¥9,800(子ども料金¥4,900) A¥8,800(子ども料金¥4,400)
■お問合せ/中京テレビクリエイションTEL052-588-4477(平日11:00~17:00)