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清水ミチコのシミズム

8月は、京都の磔磔という老舗のライブハウスで、
憂歌団・木村充揮さんとの対バンでした。
夏の京都は蒸しあがるほどの湿気でいっぱいでしたが、
心は快適、スカイブルー。
憂歌団の大ファンである私、
どれほどこの機会がうれしかったことかわかりません。
尻尾があったら痩せるほど振ってました。
ついてなかったのが残念です。
ライブハウスは超満員で、木村さんの歌が40分、
そのあと私のコーナーが40分ほど、
そのあと2人で6曲ほど演奏させてもらいました。
本物のブルース系のミュージシャンと、
ニセモノのお笑い系の女という、
世にも珍しいコンビのかけあいは、
珍妙そのものでしたが、
何をどう言っても私が自由に喋るほどお客さんがウケてくれるので、
最後までずうっと無敵状態でした。
私がたまに木村さんをツッコむと、
客席から「(よう言った)ありがとう!」
という声が飛ぶという、謎のファミリー劇場。
こういうところはライブハウスの強みですね。
大きなホールでのライブに比べると、
出てるミュージシャンよりも、
なぜかお客さんのカラーが強く出るんですよね。
リハーサルは当日のみ、というスリルも味わいましたが、
お笑いに比べると音楽は一回音を出して合わせれば必ずなんとかなる、
という教訓もしっかり味わいました。
終わったあとは、ミニ打ち上げとして、
スタッフさんら皆んなで楽屋で乾杯しました。
写真などを記念に撮ってもらいつつ、
また2人でしゃべってると、最近はスマホの機能、
GPSなどの速さがすごいらしいと木村さん。
ふと「だけど木村さんは、
スマホが似合わないように見えるんだけど、
やっぱ持ってたりするんですか?」
と若干失礼な質問をしたら、
「最新式や」と言ってポケットから携帯を取り出し、
「二つに折れんねんで。」

とガラケーを見せてくれました。
笑った。ものすごくカッコいい!
さすが本物は違いますね。世間の声とか、
ポケットにあるからなんだか気になるんですよね。
世の中の炎上を恐れるより、
火事の原因を持たなければ誰もが楽になれるのだわな。
と、なんだかそれだけで気が楽になりました。