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清水ミチコのシミズム

昔、「夢で逢えたら」(フジテレビ)という番組がありました。
私もレギュラーの1人だったのですが、
ディレクターだった星野淳一郎さんが
数年前に亡くなられてから、
スタッフやメンバーが年に一度集まり、
青山にあるお墓に挨拶したあと、近くのお店で食事、
という恒例の会が催されています。
星野さんでなかったら、こんなに毎年
たくさんの人が集まらないだろうと思うほど、
才能に溢れ、仕事に一生懸命な人物でした。
愛嬌もなければ、軽薄なノリもいっさいないという性格だからこそ、
まわりからの信頼も厚く、一目置かれる人物でした。
たとえばロケで香港やNYに行っても、
(せっかくだから)などと休憩中にグルメを楽しんだり、
買い物などする姿を一度も見たことがありません。
さて、今回の集まりでは、タレント組の私と野沢直子ちゃんに、
南原清隆さん=ナンちゃんも加わり、さらに楽しい会になりました。
ところが、私たちの3ショット写真がSNSで発信されると、
喜びの声とともに、「ダウンタウンも呼んであげて」という声も
たくさんいただいてしまいました。
昔から忙しさが超人的なダウンタウンには、
声をかけるのもはばかれるほどの過密さがあるのです。
ところがその日は、共演してた当時、
ダウンタウンを担当してたマネージャー・新田くんが
大阪からわざわざ参加してくれ、
懐かしい話に花を咲かせる前にこう言うではありませんか。
「さっき偶然、大阪からの機内で浜田雅功さんにバッタリ会いましたよ」
「誘えばよかったじゃん」と、私。
「もちろん誘いましたよ」
「どうだった?」
「返事3文字でしたわ」
「なんて?」
「行くか!って。速攻です」

笑いました。
念のため解説しますと、行こうかな、という「行くか!」ではなく、
「行けるわけがあるか!」という感じです。
さすが浜ちゃん。早い。
説明や言い訳よりも、なんとも伝わるニュアンスがあって、
仕事を何より優先するべきとしていた星野さんも、
きっとどんなに喜ばれるかと思った次第です。