HOME > 清水ミチコのシミズム > 清水ミチコの「シミズム」#60
自分のライブで流す映像ネタを毎回作るのですが、
このあいだは、私が黒柳さんになって
「徹子の部屋」にいろんなゲストを迎える、
という企画にしました。ゲスト役をお願いしたのは、
モノマネのプロ・神奈月さん。
いろんな著名人になっていただきました。
小道具や撮影機材も最小限、そして短時間で終了した撮影は、
ソーシャルディスタンスを取りながらもお金も時間もかからない、
というスマートな方法になりましたが、
これはコロナの影響ではなく、彼の才能のおかげでした。
神奈月さんは、瞬時に石原良純さんになったり、
井上陽水さんになったり、原監督になったりして、
とても面白かったです。早い・うまい・ひどいの3つ巴。
笑いをこらえるのが大変でした。モノマネって、
やっぱり好きな人ほど似てくるところがありますし、
実際やっているご本人も輝きを放ちます。
なりたい人になる、というのはモノマネの永遠なる鉄則ですね。
思えば私と同じ岐阜出身の神奈月さん。
ただし、彼の方は岐阜の中でも名古屋に近い場所であり、出身地を聞かれた時、
「岐阜です」と答えて
「え?ごめん岐阜ってどこ?」
と言われるたびに、説明するのがめんどくさいので、
もういっそ「あ、名古屋です」と答えるようにしてる、
と笑ってました。
そういう方は少なくはないようですが、
ざっくりとした彼らしさがよく出ている話です。
そして彼は芸風もざっくり雑なところがあり、
そこも大好きです。
いつか笑ってしまったのは、
YOUTUBEで披露してた
「ジュリー(沢田研二)のコンサートに来た客」。
せっかく来たのにコンサートがドタキャンされたという事態に
、ぜんぜん怒ってない。
インタビューに答えているのですが、むしろ
「ジュリーなんだからドタキャンしてもいいのよお!」
と主張します。
ああ、なんだかいるよなあこういう方、
と共感させられるんです。
好きだからなる、という鉄則にもう一つ
「ツボッたからなる」というのもつけ加えてもよさそうでした。