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清水ミチコのシミズム

たまの休日、私は近所の図書館によく出かけます。
静かで落ち着いていられる場所。
他に音楽がかかってないところが、都内のどこにありましょう。
こないだ行った美容院でも、
リラックス系のBGMが大きめにかかっていたのですが、
それはいいとしても、
トイレに行った時くらい(ドアを閉めれば)と思ってたら、
なんと、トイレにはトイレ専用の別のスピーカーがあり、
違うBGMを流していました。
もしかしたら現代人は沈黙している空気が恐いのではないか?
と思えるくらいでした。
耳だけでなく、スマホが片時も離せなくなる、
という事例は各地で多発してるようで、
目も沈黙をコワがっているみたいですね。
ついこないだ、テレビ番組でご一緒した、
ある有名塾の先生から聞いたのですが、
「二時間、スマホいじれなくなるカバー」
みたいなのを貸し出してみたら、
すぐに飛ぶようになくなったとのこと。
勉強をしたがっているのに、
邪魔をしているのは自分の目だったなんて、
なんと皮肉な話でしょうか。
でもその気持ちはわかります。
私もすぐスマホをいじってしまっているのですから。
しかし、図書館では一応電源を切るので、
ちょっとの時間、我にかえるというか、静かになれるワケです。
ところがその日、バッタリ知り合いに出会いました。
番組のプロデューサーです。
小声で挨拶する私たち。
(短めにね)という暗黙の了解を破り、
小声でペコペコと私にあやまってくるプロデューサー。
いったいなんだろう?
「こないだの番組、ヒドかったでしょ?観た?ごめんね、本当に。」
と言います。
「え?めっちゃ面白かったけど?なんだっけ?」
と小声で言うと、
「いや、清水さんの顔にライト当てるの忘れちゃってて、あの時。

シーワシワだったから、

ボク、あやまらなきゃ、と思ってたんだ。ホント、ごめんね。」
(おい!デ・リ・カ・シー!)
と思いながら、シーワシワ、という言い方に、
言い返すのも笑いもとにかくガマンしました。
そこは沈黙しとけよ!