HOME > 清水ミチコのシミズム > 清水ミチコの「シミズム」#16
私は松任谷由実さんのファンですが、
曲はもちろんのこと、
雑誌のインタビューやラジオで聴く
彼女のコメントが大好きです。
全体的には前向きな姿勢でありながら、
皮肉めいたシニカルなコメントなどは、
そのへんにいるお笑い芸人以上に痛快ですし、
また、ちょっと予言めいた言葉もツボにはまります。
ずっと昔、ビビる大木さんについて、
「まだ誰も気がついていないでしょうけど、
彼は実は、もとがとても上品なんですよ」。
(↑ここはぜひ私の彼女のモノマネで、
低音・知的に読んでいただきたい。)
とおっしゃっていました。
その頃はそんなに売れっ子でもなかった大木さん。
しかし、そのコメントを聞いたころからでしょうか。
彼はどんどん有名になってきたかと思うと、
自分の番組も持ち、今や日本で一番テ
レビに出ている顔にまでなったのです。
さすがユーミン様ではないでしょうか。
大木さんに会ったとき、それを言うと、
彼ももちろん知っていて、嬉しそうでした。
さて、NHKでやっている大木さんの番組に
私がゲストで呼ばれたときのこと。
番組前にはいつも「打ち合わせ」があります。
どういった事を話すか、
何時にはこういうコーナーがあります、
などとスタッフと確認をするのです。
私はふとそのユーミンさんの話を思いだし、
スタッフさんに話しました。
そして、「私なんて、ずっと見てた大木さんの
どこに品があるんだか、いまだ見抜けてないですよ(笑)。
さすがユーミンさんですよね。見抜けました?」と、言ったら
「上品さ、ですか。上品さ…。そうですね…。」
と、スタッフの一人が沈黙しました。
まさかそんなに感じ入るとは思わず、
軽く驚きながらも、次の話題に移ったその時です。
黙考してた彼が、大きな声で言いました。
「わかったっ!わかりました!」
え?今わかったの?でした。
「蝶ネクタイですよ!
彼いつもつけてるじゃないですか!!」
違います。
精神的なもんですよ…。
さすがにそっとツッコませていただきました。