HOME > 清水ミチコのシミズム > 清水ミチコの「シミズム」#06
空港で、40代くらいの男性から声をかけられました。
「大ファンです!○○も観てますし、
△△のドラマのときの××の役、最高でした!」
などと地味な作品までよく知ってくれてて、
たのまれたサイン用紙すら、私の出てた映画のパンフレットでした。
なんだかこちらまで嬉しくなってサインを書いていると、
女性が二人やってきました。
「去年のライブに行きました。」とのこと。
まじで!また喜びながらサインをしました。
しかし、私に限らずサインをしている現場を見ると、そう欲しくなくても、
ついでにもらっちゃおうとする人というのがたまにいるものです。
一人のおばさんが、ほがらかにこちらに近づいてきてこう言いました。
「テレビで観たことあるう〜。
私も一枚、もらっちゃおっかな。い〜い?」
「もちろん、ど〜ぞ。」
あとで(ヤな感じだった)などと言われるくらいなら、
いっそ笑顔で書くと、まず自分の気持ちがよくなるもの。
その人はどうやら近くの売店の方のようで
「○○商店、△△社長様へ、って書いて。」とのこと。
ところが、書いているとその人が一瞬いなくなってしまいました。
なんだ?と思ってたらすぐにまた登場。
「色紙、もう一枚あったわ。」と、
勝手に追加されたらしき色紙が目の前に。そして
「××商店のかまぼこおいしかった、と書いてくれる?ダメ?
かまぼこあげるから。」
「かまぼこだけは大嫌いなんです!」
と言えたらどんなに気分いいだろう、などとしみじみ空想した次第でした。
ま、おいしかったんだけどね。
食べたのかよ!