HOME > 清水ミチコのシミズム > 清水ミチコの「シミズム」#03
普段はバラエティ番組ばかりの私ですが、
この春はなぜか、何本かのドラマや映画に出していただきました。
ありがたいことです。
なんと言ってもバラエティとの違いは、
現場の緊張感、ならびにスタッフとの調和。
バラエティのスタッフさんは、現場では「あとは本人にまかせる」、
という一瞬があるのですが、ドラマ班は、現場で
「ここで、こういう風に気持ちを込めてから、
一歩下がった場所でセリフ」など、
細かに指示をくれ、一緒に作りあげて行くのです。
さて、その中の一本に(主人公の同級生)という
設定でお願いされた役がありました。
ところが、聞いてみたら、なんとその主演の女優さんは、私よりもずっと年上。
一瞬とはいえ、正直ゆらいでしまった私。
(ええええ〜)
小さく口に出してしまいました。ナマイキ。
しかしながら、主役の方はものすごく美人かつ素敵な女性。
私はすぐに(まったく関係ないわ、いや、むしろ喜んでいいじゃない)、
と思い直しながら喜んでお受けしました。
さらに、その女性にお目にかかってみますと、
きれいなだけじゃなく、フレンドリー。
気さくでいらっしゃいました。
現場で一緒にお弁当を食べたり、
移動バスの中で会話したりしていくうちに、
(やっぱり引き受けてよかった〜)、
としみじみ思えてきました。ところがです。
話がはずむうちに、その方は、驚きのあまり箸を止めて、
私にこう言ったのでした。
「ええっ?!清水さんって私より年上じゃないの?」
お互いに見つめあいました。
まさに驚きの展開…。
まさか自分の方が年上に見られてたとは…。
じゃあ、きっとあなたも、
(ええええ、清水ミチコと同級生?)と、思ってたのね…。
どうしよう、この妙な空気…。
「ワタシって昔からフケててえ〜」つって笑っちゃおうか、
そう思った矢先、その方もまずいと思われたのか、
あわててくっつけてくれました。
「だって、かかかか貫禄があるから!」
そのお気遣い、いただきました…。