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VOL.66
「推し活」にはまったく縁がない人生を歩んできましたが、今その気持ちが少しわかるようになってきてしまいました。という前回のお話の続き。無料招待券をもらってなでしこリーグを観に行ったわけですが、キックオフ直前のスターティングメンバーが発表されて私がガイドブックに丸をしたところまで話しましたね。この時点では誰が誰だか全くわからない状態でしたが試合が始まると次第にフリューゲルス魂が蘇り、各選手の動きがわかってくるわけです。いけー!弱いよ!そこじゃないよ!ナイスキー(ナイスキーパーの略)!!と自然と声を発してしまう私。周りは家族づれでのんびりムードのなか一人熱いおっさん。笑。そうそう、なでしこリーグのもうひとつの良さは「試合が止まらないこと」つい先日観に行ったJリーグなんか、すぐ選手が倒れて試合が中断してしまう。痛かねーのに、痛いふりして。本当に痛いのは5回に1回くらい。あとは演技。この堕落した習慣がなでしこには無い!本当に痛いから倒れるし、倒れても痛くなければすぐ立ち上がる。この健康的試合進行がとても良く、応援したくなるのです。さて、話を試合に戻すと、だんだんと良いプレイをする選手が3人見えてきました。安定感抜群の硬いディフェンスそして熱い情熱を感じる渡辺さん。ノールックスパスや素早い判断力を見せるキレ技の新堀さん。そして私が最も注目したのは全てのスキルが飛び抜けていて王者の風格さえあるストライカー藤原さんです。(さあどのチームかお分かりでしょうか)他にも良い選手がいますが、この3人が別格だと私は思ったのです。試合が進むにつれ、私の判断はどんどん確信に変わってゆく。あの15番はすごい。本当に良い!次第に藤原さんばかり追って見ている…あれ?この感情って?調べると最近チームに入ったばかりの選手。ベテランたちにいじめられてないか心配。あれ?家に帰ってYOUTUBEで全試合UPされているので全部見る。やっぱり15番すごい!下の名前なんていうんだろう?え?普段パン屋さんで働いているの??もしかして会えるのか!あれ?これって?この感情って??やばい…そんな推し活にハマりかけている同士たちに捧げる曲はこちら!
「Be JAZ! OUCH!」V.A. 1993年発売Amazon音楽ランキング不明
これはB級ジャズのコンピレーションで、スカパラの谷中さん川上さんが選曲しているCDです。B級グルメよろしくB級ジャズと勝手に呼んでますが、言い換えると「コテコテジャズ」というジャンルです。笑。1999年にジャズ批評ブックスより発売された原田和典著「元祖コテコテ・デラックス」に由来します。いわゆるブルーノートやVerveなど一流の名盤JAZZとは違って、ハモンドオルガンや16ビートのファンキードラムや乾いたギターなどを中心に、ちょっとダサい、ちょっとモサっぽい、ちょっとマヌけだけど愛おしい。ダサかっこいいソウルジャズ!そんなJAZZたちの総称です。とはいえ当時流行ったアシッドジャズのルーツとなるジャンルでもあります。このCDにも入っているジョニーハモンドスミス、バーナードパーディ、他にもジャックマクダフ、シャーリースコット、グラントグリーンなどなど、コテコテな人たちがたくさんいます。ジャケットにある『OUCH』はパーカッショニストのモンテゴジョーの曲。英語がよくわからないのですがたぶん女性のヒールでつま先を踏まれて「痛い!」「ダメだよ!踏んじゃ!」と言ってます。笑。私は大学生の時にこのCDと本に出会い、そこからたくさんのアルバムをレコードで集めています。ジャケットもかなり可愛いのが多いです。ぜひこんなジャンルがあること知ってもらいたいです!こんなセンスのいい選曲をした谷中さんと川上さんに感謝。…というわけで今回は「S.(選手の)P.(プライベートまで)O.(追っかけるようになったら)0.(アウチ!)」的ミュージックでした!