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NEMOのGood Music A to Z

VOL.46

寝言でうかつにも「元カノ」の名前を言ったことありませんか?寝言はあたかも「本音」のように思われがち。たいして想ってもないし、なんなら忘れてたくらいの元カノの名前を言っただけで大ゲンカになる、もしくは何十日も口を利いてくれないケースも多々ありますよね。ところで大学生の頃、アメリカのシアトルに留学していた時、日本人2人で1部屋というドミトリー、いわゆる学生寮で生活していました。ある夜、私の部屋の相方が少し離れたベッドからこのような寝言を言っておりました。「みきちゃん、そこはだめだよ〜〜笑」と気持ちよさそうにニヤニヤしながら。みきちゃん(仮名)とは、留学生のあいだでも1、2位を争う美人で憧れの的。俺の部屋の相方は1、2位を争うほどキモい男で変態の部類。そんな奴がなんてことを言っているのか!「そこはダメだよ〜〜」とはどんな状況なのか。仮にエロい状況だとしたら、1、2位を争うキモいお前が、1、2位を争う美人のみきちゃんに攻められているのか?なんならお前の方がちょい上なのか?向こうが言い寄ってきているのか?何様のつもりなのだ!「あの」みきちゃんだぞ!!と、朝、相方が起きた時に説教しました。この噂はまたたく間に広がり(てか俺が言いふらした)、その夜、部屋に男連中が集まりミーティング。「どんな状況なんだよ?」「どうしてそうなったんだよ」「で、どうなった?」と夢の話なのに色々質問責め。相方はそれに対し自慢げに事の一部始終を話し、皆「ふざけんなよ〜まじで」「ありえね〜!!」「お前ホント最低だな!」と怒りながらも、相手が「あの」みきちゃんだけに皆ニヤニヤしていた最低な男たちでありました…そんな夢の中でしかおいしい思いをできない男たちに捧げる1曲はこちら。

「Cracked Rear View」Hootie & The Blowfish
1994年作品Amazon音楽ランキング40497位

フーティー・アンド・ザ・ブローフィッシュというアメリカのバンドです。私が留学していた95年ごろアメリカでめちゃくちゃ流行っていました。ヒット曲「OnlyWannaBeWithYou」などが入っているこのアルバムは全米で1600万枚を売り上げ、イーグルスの「ホテルカルフォルニア」に匹敵するそうです。今でもそうなのかもしれませんが、不思議なことにアメリカで流行っていても日本では全く知られていない、それほどでもない、というズレがあります。このバンドもまさにそうで、知らない人も多いのでは?Amazonで1円で売ってたりする悲しさ…でも、たった半年ですがシアトルに留学したことで、その理由がなんとなくわかりました。要は「環境」なんですね。アメリカの広々とした大地、道、街並み、カラッと乾いた空気、土、そんななかで聞く音楽って、ヨーロッパやアジア日本などで聴かれる緻密でインテリな音楽って似合わないんです。大味の方がよく似合う。生活にマッチしてるというか。逆にいうと日本で聴いても、そんなにグッと来ない感じがあります。当時のアメリカの大学生がTomPettyというベテランアーティストを崇拝していたのも驚きでしたが、わかります。CountingCrowsなんかもたぶん知られてないでしょう。「RainKing」って曲をウォークマンに入れて、グレイハウンドバスに乗って聴いていると涙が出てきそうになる。大地や道が広すぎて無限に夢や可能性が広がってゆく気がするんです。そんな大学生だった私。相方が見た夢も同じ夢。でも、みきちゃんだけはやめて欲しかった…というわけで今回は「S.(すごくいいところで)M.(目が覚めてしまい)T.(続きから見たいと思っても)T.(続かなくて悲しい時ってあるよね)」的ミュージックでした!