HOME > NEMOのGood Music A to Z > Vol.33 MTDK〈前編〉

NEMOのGood Music A to Z

今年もハロウィンの時期が終わりましたが、年々規模が大きくなっている様で…。渋谷のスクランブル交差点では仮装してないと逆に「普通」が恥ずかしくなって歩けなくなるらしいです。とはいえゾンビギャルやモンスターが山手線にたくさん乗っていて、会社帰りの背広のおっさんの隣に顔面血だらけのナースが座っているという光景はカオスですね。さてゾンビ、モンスターと言えば俺にとって強烈な記憶があります。思い出すのは十数年前の冬。ツアーで東北地方のとある県におりました。ライブも終えて、まだ体力のある頃でしたのでスタッフ10人ほどで夜の街へと繰り出したところ、キャバクラビルの最上階にある異様な名前「かいぶつランド」という看板を発見。我々は恐いもの見たさに飛びつくように入って行きました。店に入ると、壁側のソファー椅子に横1列に少し間隔をあけて座らされ、そこへ5人の普通の女の子が座って来ました。数が足りなかったんでしょうね、2人に対して1人。すると突然、大音量でユーロビートが流れだし、タンバリンを持ったおじさんが「ようこそいらっしゃいました〜!」とマイクで声高らかにアナウンスを始め「お1人だけこちらへどうぞ〜!」と軽快なタンバリンさばきを見せつけながら言うので、当時一番若かったスタッフA君に白羽の矢が立ち、店の中央のぽつんと置かれた椅子に俺たちと対面する形で1人座らされました。するとどこからともなく女の子2人が現れ、いきなりそのA君の上着を全部脱がし、ユーロビートとそのおじさんのタンバリンにのせて踊りながら、背後にまわりこみ彼のあらわになったピンク色の乳首をコリコリし始めました。A君はあまりに突然の事に、「感じる」という余裕は一切無く、俺たち全員(いわゆる普段は仕事仲間である我々)に見られながら、上半身裸で乳首をいじられているという状況に理解が追いついておらず、困惑気味のガチな無表情。こっちはそれを見て大笑い。そのショーが終わると、A君は我々側の席に戻され、今度は間髪入れずに…(つづく)。書いているうちに熱くなってしまい、大スペクタクルな話になってきたので、初の前編・後編、年を跨いでの掲載にする事にしました!w。不覚にも興味津々で読んでしまった君たちにお届けする1枚はこちら!!

「The Hits」 Jocelyn Brown 1999年作品
Amazon音楽ランキング 132539位

ジョセリン・ブラウンというアメリカ女性シンガーです。84年に初のソロアルバムを出し「SomebodyElse’sGuy」がヒット。その後、90年代のクラブシーン、いわゆるACIDJAZZ界ではレジェンドとして存在しておりました。俺はこの人の歌が大好きで…。もう爆発しそうな声量、そしてゴスペルシンガーだったので、包容力がハンパないです。クラブ遊びをしていた頃、ガラージハウスというジャンルがありまして、彼女の歌声を聞きながら踊るのは至極気持ち良かったです。俺はとあるスタッフさんの計らいで、西麻布のYELLOWというクラブにインコグニートとジョセリン・ブラウンがライブするという情報をもらい現場に入れてもらいました。こんなに間近で見れる!という感動と、ジョセリン・ブラウンの存在感に感動し完全に失禁致しました…ニューヨリカン・ソウルとも一緒に演奏している曲も良いですので、チェックしてみてください!ちなみに情報をくれたとあるスタッフさんというのは、あの「かいぶつランド」にもおりました。笑。というわけで今回は、「M.(めちゃくちゃうまい)T.(タンバリンおじさん)がD.(出てきたら)K.(気をつけろ!)」的なミュージックでした!