2021年08月25日 <会見レポート>「ディズニー・オン・クラシック 〜まほうの夜の音楽会 2021」関西公演

Presentation licensed by Disney Concerts. ©Disney
ディズニー・アニメーションや映画・テーマパークの名曲の数々を、スクリーンに映し出される映像とともに、オーケストラと歌のパフォーマンスでお贈りする「ディズニー・オン・クラシック」。今年は、2018年公開のディズニー/ピクサー映画『リメンバー・ミー』を全編フィーチャーして、関西でも公演が開催されます。ナビゲーターを務めるのは、ラジオDJやナレーターで活躍するささきフランチェスコさん。本公演のみどころなどをお伺いしました。
―長く愛されている「ディズニー・オン・クラシック」今年のテーマは?
「今年で19回目を迎える「ディズニー・オン・クラシック 〜まほうの夜の音楽会 2021」のテーマは、「Music Forever 〜永遠に続く“愛”」です。このような状況の世の中なので、皆様の心を豊かに、また勇気を持って前に進めるように、マイナスな要素は無くポジティブに!家族の絆、人との繋がりの大切を伝えられたらと思っています。」
―見どころはどんなところでしょうか?
「『ヘラクレス』より「ゴー・ザ・ディスタンス」、『美女と野獣』より「時は永遠に」、ミュージカル版『アラジン』より「プラウド・オブ・ユア・ボーイ」などアラン・メンケンが作曲した楽曲を日本人ヴォーカリストが日本語で歌います。とてもわかりやすい演奏で、それぞれの純粋な気持ちが伝わるかと思います。なかでも「プラウド・オブ・ユア・ボーイ」は、お客さまからのリクエストが多かった楽曲なんです。」
―ナビゲーターとしてお客さまから感じることは?
「お越しいただくお客さまの笑顔に会えるのが喜びであり、楽しみです。“扉を開けると夢と魔法の世界に足を踏み入れる” それを大前提に考えています。ご来場くださる皆さまが感動して、そして私たちは音楽で気持ちをバックアップしたい。公演後、日常の力になる事は本公演のチームの願いで、皆さまにそう感じて頂けると嬉しいです。」

『パイレーツ・オブ・カリビアン』 フィルム∞コンサートでのナビゲーターも人気のささきフランチェスコさん
―関西での「ディズニー・オン・クラシック」の思い出は?
「生中継がはじめて入ったのは、2013年大阪のフェスティバルホールでしたね。特に大阪のお客さまは、楽しむパワーがすごくて、ステージにも伝わってきます。また「ディズニー・オン・クラシック」で、ステージ上の自分にお客さまから、つっこみが入るなんて夢にも思っていませんでしたね(笑)」。
―ご来場される皆さまへメッセージ
「素晴らしいオーケストラから、いろんな影響を吸収してもらいたいです。本物に出会うことで、人を信じることや愛を感じて欲しいですね。私自身もお客さまに一番近い存在として、感動を共有したいです。」

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陽気でカラフルな<死者の国>を舞台に、音楽でつながる“家族の絆”を描いたディズニー/ピクサー映画『リメンバー・ミー』を、「ディズニー・オン・クラシック」で初めて全編をフィーチャーします。その他、『ヘラクレス』より「ゴー・ザ・ディスタンス」、実写版『美女と野獣』より「時は永遠に」、ブロードウェイ・ミュージカル版『アラジン』より「プラウド・オブ・ユア・ボーイ」など、心にしみる楽曲をはじめ、「ディズニー ミュージックパレード・ゲームテーマソング」やフロリダ ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート エプコットでのパレードより「タペストリー・オブ・ネーション」といった心踊る楽曲など、音楽の力を感じるプログラムを、オーケストラ・ジャパンと日本人ヴォーカリストの生演奏で観客を魅了します。
取材・文=紅粉チコ
ディズニー・オン・クラシック
まほうの夜の音楽会 2021
「Music Forever ~永遠に続く“愛”」
~公演スケジュール~
■10月8日(金)、9日(土)愛知県芸術劇場 大ホール
■10月15日(金)神戸国際会館 こくさいホール
■10月20日(水)フェスティバルホール
■12月11日(土)愛知県芸術劇場 大ホール
■12月18日(土)フェスティバルホール
ミステリアス&ダーク・スペシャル
プログラムの一部を、個性豊かな悪役やスリリングなテーマパークの音楽にフォーカスしたスペシャルプログラム!
■10月10日(日)愛知県芸術劇場 大ホール
■10月16日(土)フェニーチェ堺(堺市民芸術文化ホール 大ホール)
■10月21日(木)フェスティバルホール
クリスマス・スペシャル
プログラムの一部を、クリスマスシーズンをお祝いする楽曲で構成されたスペシャルプログラム!
■12月12日(日)愛知県芸術劇場 大ホール
■12月19日(日)フェスティバルホール
■12月25日(土)アクリエひめじ(姫路市文化コンベンションセンター 大ホール)
ファイナル・コンサート
約3ヶ月のツアーを締めくくる特別なセレモニーで、フィナーレをお祝いしましょう!
■12月24日(金)滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール 大ホール
■12月25日(土)アクリエひめじ(姫路市文化コンベンションセンター 大ホール)
■チケット情報
https://www.harmonyjapan.com/doc2021/schedule_kinki.html
■「ディズニー・オン・クラシック」 オフィシャルサイト
https://www.harmonyjapan.com/doc2021/
■お問い合わせ:ハーモニージャパン/Disney on CLASSIC事務局
https://www.harmonyjapan.com/contact または 03-3409-3345 (平日10:00~18:00)
2021年08月23日 <会見レポート!カンヌ4冠の映画「ドライブ・マイ・カー」濱口竜介監督>
濱口竜介監督の商業長編映画第2作目となる映画「ドライブ・マイ・カー」が明日から全国ロードショーで公開される。今作は第74回カンヌ国際映画祭で、日本映画としては初受賞となるコンペティション部門の脚本賞のほか、独立賞に当たる国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞を受賞した。濱口竜介監督の合同取材をレポートします。

映画「ドライブ・マイ・カー」は、村上春樹による短編小説を原作とする物語。舞台俳優で演出家の主人公・家福(かふく)は妻の音(おと)と満ち足りた生活を送っていたが、音がある秘密を残して突然この世からいなくなってしまう。その2年後、広島での演劇祭に愛車のサーブ900で向かった家福は寡黙な専属ドライバーのみさきと出会う。喪失感と残された秘密に苛まれながら、みさきと過ごす中でそれらに向き合っていくさまが描かれる。映画には、村上による短編集「女のいない男たち」所収の「ドライブ・マイ・カー」に加え、同短編集に収録された「シェエラザード」「木野」の内容も投影されているが、それに加え「ゴドーを待ちながら」「ワーニャ伯父さん」という2つの演劇作品の要素も取り入れている。特に「ワーニャ伯父さん」は原作と同レベルと言っていいほどに映画の中で重要な役割を担っている。
濱口:原作の短編小説「ドライブ・マイ・カー」は起承転結の転で終わっているようなところがあるので、長編の映画ではどういった結末を迎えるのかと考えた時に、村上さんの長編作品に多く描かれるようなある種の希望まで辿り着きたいと思ったんです。その導き手をチェーホフの「ワーニャ伯父さん」が担いました。原作にも「ワーニャ伯父さん」は登場し、ワーニャを家福が演じ、みさきが自分の境遇をソーニャに重ね合わせるという記述があります。原作での扱いは決して大きくはないのですが、村上さんは明らかに家福とみさきの関係性をワーニャとソーニャの関係性に類似させています。それであるならこの映画は、家福がワーニャを演じられるようになるまでの物語としようと思ったんです。

映画では、広島の演劇祭で「ワーニャ伯父さん」を上演するためのオーディションから本読み、稽古、本番までの様子が描かれている。随所にそのセリフは発せられ、映画の本編と「ワーニャ伯父さん」の物語が交錯し溶け合っていくような感覚さえ覚える。
濱口:特にチェーホフの言葉の力というのは非常に強い。人が心の底のほうで思っていることを言葉にしていると思うんです。それは舞台上だからリアリティを得ることが可能になるのですが、そういう言葉を口にした時、または耳にした時に役者の体に起きる変化というのは非常に強いものだと感じました。
そして物語はまるで対話劇を見ているように進んでゆく。対話によって物語が進められ、人物の心理を描き、お互いの気持ちの邂逅がもたらされる。この対話がもたらす作用について濱口監督は、
濱口:2つあります。物語は、主人公の家福が終始自分の感情をしまい込んでいる状態で進んでゆくわけですが、そのしまい込む過程であったり、一方で感情を隠せなくなって表に出てゆく様子を対話によって表現しています。この様子は彼一人がいる状態では、少なくとも映像には定着することはできない。対話においては、誰かに何かを言うことを躊躇うにせよ、その「躊躇う」という行為が映像には映り、観客の皆さんにも伝わるわけです。もうひとつは演出に関わることです。私の今までの経験上、演技の中で対話をすることで、その現場で役者さん同士の相互反応というのが起きやすくなると感じています。役柄としても役者自身としても言葉を通じてお互いに触発し合うわけで、その両面の現象が映画の中に生きているんだと思います。

その対話を織りなすキャストは主人公・家福に西島秀俊、家福の妻・音に霧島れいか、ドライバーのみさきに三浦透子、キーパーソンとなる高槻に岡田将生という実力と人気を備えた俳優陣。そして海外からのキャストが劇中の多言語劇「ワーニャ伯父さん」を展開する。大部分の撮影を行なった広島、みさきの実家の跡地として登場する北海道などの印象的な風景や、映画を彩る石橋英子の音楽にも注目したい。
そして濱口監督といえばその学歴も注目される。東京大学文学部を卒業後、映画の助監督やT V番組のADを務めた後、東京藝術大学大学院で当時新設された映像研究科の2期生として入学している。
濱口:助監督とA Dの仕事についていうと、自分に本当に能力がなかった。当時の先輩方には申し訳ない気持ちが多々ありますが、全く気が利かなかったんです笑。でも、(映画を)作るということを諦められなかったので、東京藝大の大学院が国立で初めて映画製作の教育機関を設けるということで、「これが最後の蜘蛛の糸」と思って受験し、1浪しましたが入学できました。
と、この時ばかりはほころんだ表情を見せてくれた。映画「ドライブ・マイ・カー」は8/20(金)より名古屋・伏見ミリオン座をはじめ、全国ロードショー公開。
◎Interview&Text/福村明弘
8/20 FRIDAY〜【名古屋・伏見ミリオン座 他、全国ロードショー】
映画「ドライブ・マイ・カー」
■監督/濱口竜介
■脚本/濱口竜介、大江崇允
■出演/西島秀俊 三浦透子 霧島れいか 岡田将生
■原作/村上春樹 「ドライブ・マイ・カー」 (短編小説集「女のいない男たち」所収/文春文庫刊)
■配給/ビターズ・エンド (C)2021 『ドライブ・マイ・カー』製作委員会
2021年08月08日 <インタビュー>ベリーグッドマン
2016年「ありがとう“旅立ちの声”」でメジャーデビュー。彼ら独特のパワーソングといわれる応援歌の楽曲は、各アスリートからも熱い支持を得ている。8/4には第103回全国高等学校野球選手権大会のTOKYO MX中継テーマに選ばれたSingle「ナツノオモイデ」をリリース。昨年大好評を得たドライビングパーティー、「ベリーグッドマン 超好感祭2021〜“ナツノオモイデ”リリースパーティ編〜を9/23大阪・舞洲“空の広場”で開催する。波に乗るベリーグッドマンのRoverさん、MOCAさんに意気込みを聞きました。

―ベリーグッドマンの3人はどのように出会われて結成に至ったのですか?―
Rover「高校の吹奏楽で出会ったHiDEXとバンドっぽいことやろうとなって始めたのがきっかけです。途中、喧嘩別れしちゃって、自分の中で音楽を続けていこうと模索していた時にMOCAの独創的なライブに出会ったんです。はちゃめちゃなMOCAの頭の中を具現化したいと思って声をかけたんです」
MOCA「たしかに地元の天下茶屋で、めちゃくちゃなライブをいろんなところでやってましたからね」
Rover「その後、一度は喧嘩別れしていたHiDEXも加わってくれて、3人でやっていけば、どこにもないオリジナルなスタイルでやっていけるという確信が湧きました。やるからにはビジネス的に成功しないとダメだと思って現在に至ってます」
―3人の中に化学反応が起こって今のベリーグッドマンが完成したわけですが、これからの戦略などはありますか?
MOCA「ひとりでライブしていた頃も、ずっと根拠のない自信はありました。最初は3人の関係性とかチームとして音楽を創っていくことに違和感がありました。それも時間と共に自分たちの立場も変わってきて、今はプロであることを意識できるようになってきたところです」
Rover「今後も新しい感覚のパワーソングというものを突きつめていきたいし、今回リリースした“ナツノオモイデ”は、今の僕たちからの手紙であることは確かです。どこを切り取ってもベリーグッドマンだし、じわじわと時間をかけて、いろんな人に伝わってほしいと思っています」

―昨年11月に行われたドライビングパーティー形式で、今回のリリースライブを行われるわけですが、どういう経緯であのスタイルのライブになったのですか?
MOCA「メンバーの中では僕だけがライブの企画に入ってまして、海外でスティーブ・アオキさんたちが、ドライブインスタイルのライブをやっているのを知って、アイデアとしてはずっと温めていました。このコロナ禍の中で、どうやってライブすれば良いのかを考えた時にこれだと思いました。最初はどれだけの経費が必要なのか?果たしてライブとして成立するのか、まったくの未知数でしたが、音響や映像、舞台装置のプロのスタッフさんたちのおかげでどうにか実現できて高評価もいただけました。僕自信も楽なスタイルで気ままに聴けるライブっていいなと思ってたんで、実現出来て良かったです。ライブに来てくれたファンの方からもすごい好意的なコメントをたくさんもらいました。」
Rover「昨年は“祭り”というコンセプトでしたが、今年は“キャンプ”をイメージしたものになってます。こんな時期ですから、みんな外に遊びに行けていない。だからまさに“ナツノオモイデ”の一日にしてもらえるようなアウトドアな感じのライブにしようと思っています。
―関西のアーティストというレッテルをどうとらえていますか?
Rover「関西でやっていくには感度が高くないとダメだと思っています。関西って“熱いけどヌルい”っていう部分はどうしてもあると思います。関西だから、地元に内向きになるのではなく、単にホームタウンだ!くらいの位置づけで、東京や海外といった外向けにどんどん発信していかないといけないと思うんです」
MOCA「どこという場所よりも、誰と出会えるかが大事。出身地云々よりも、どれだけピュアな気持ちを持って音楽を続けていけるかだと思います」
Rover「変に関西臭を出さないようにしよう、ということは常に頭の中にあります。地域性を超えたアニメやコンビニみたいなユニバーサルなイメージの唯一無二のベリーグッドマンが理想像です」
取材・文=石原卓

■ベリーグッドマン 超高感祭2021~“ナツノオモイデ”リリースパーティー編~
開催日 2021年9月23日(木祝)
開場/14:00 開演/18:00
会場 大阪・舞洲スポーツアイランド 空の広場
料金 ドライブインチケット【車枠指定】
¥20,000(1台)
スタンディングチケット【立ち位置指定】
¥6,800(1人)
お問合せ キョードーインフォメーション 0570-200-888(平日・土曜11:00~16:00)
■ベリーグッドマン「ナツノオモイデ」
CRCP-10471 定価¥1.200(税抜き価格¥1,091)
【収録曲】(全4曲)
1.ナツノオモイデ
2.baby you
3.Hope
4.ダイヤモンド(2021 Ver.)
2021年08月04日 <会見レポート!>KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「近松心中物語」。長塚圭史演出「近松心中物語」に田中哲司、松田龍平、笹本玲奈、石橋静河らが出演!音楽はスチャダラパーが担当!
KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「近松心中物語」の製作発表会見が、7月20日に神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオで行われました。会見には演出で同劇場の新芸術監督である長塚圭史をはじめ、出演の田中哲司、松田龍平、笹本玲奈、石橋静河が登壇。この会見の様子をレポートします。
「近松心中物語」は、神奈川県横浜市出身で戦後を代表する劇作家・秋元松代の戯曲で、近松門左衛門の「冥土の飛脚」をベースとし、いくつかの近松作品の要素が加えられています。1979年、蜷川幸雄の演出により東京・帝国劇場で初演されて以来、その上演は1,000回を超えるという日本演劇界の金字塔とも称される作品です。今回は長塚圭史が演出を担うということで、田中哲司、松田龍平、笹本玲奈、石橋静河をはじめとした出演者19名と新たな「近松心中物語」をどう作り上げるのか楽しみなところです。劇中では元禄時代の大阪・新町を舞台に、飛脚宿亀屋の養子・忠兵衛と新町の遊女・梅川、忠兵衛の幼なじみで古道具商傘屋の婿養子・与兵衛と、その女房・お亀の男女2組の物語が展開する。
会見で長塚は秋元作品の魅力について「簡潔でありながら非常に意味深く味わい深いセリフの魅力に惹かれました」とし、以前演出した秋元作品「常陸坊海尊」を経て「近松心中物語」を読み、その魅力を再確認したと言います。物語については「身分制度も厳しい時代の中で行き場がなくなり死を選ぶ梅川と忠兵衛、裕福ながらも心中という物語に恋してしまうお亀と生への執着を捨てられない与兵衛、この2つのカップルの様は格差の広がる現代においても非常に雄弁なのではないか」と、この物語の普遍性を語りました。さらに「一目惚れというのは大変なこと。電気みたいなものが走って惹かれ合うという、この肉体性の高さに僕は色気を感じます。そして心中。永遠を手にするために大好きな夫と死のうとするというのにも肉体的なエネルギーを感じます。」と語りました。

左から演出の長塚圭史、出演の笹本玲奈、田中哲司、松田龍平、石橋静河
そして本作の音楽を手がけるのは、ラップグループのスチャダラパー。長塚は「スチャダラさんが『近松心中物語』ってビックリしませんか?でも、この戯曲を読んでいると江戸時代の元禄から現代に通じるトンネルがグッと開くのを感じました。そのトンネルをどうつなごうかと考えたとき、スチャダラさんが浮かんだんです」と起用の理由を明かしました。

出演者の田中は「忠兵衛は僕にとってハードルが高く、心して挑まなくてはならない役。出演者の皆さんがどんな世界観や価値観を持ち込んで挑むのかとても楽しみ」と抱負を述べました。松田は「長塚さんの作品出演は3作目。そのうち1作は田中さんとご一緒していますので、心強いなと思いながら楽しみにしています」とし、笹本は「私にとって試練になるだろうと思っています。長塚さん作品も和物の舞台も初めて。共演の皆さんとも初めましてですが、心強い方ばかりなのでついていけば大丈夫だなと思いました」と初めて尽くしの心境を語りました。石橋は「とてもボリュームのあるこの脚本を読み終えた時、『なんて儚いんだ』という刹那を感じました。最初に抱いたこの印象を大事にしながら、お亀という役をそのまま真っ直ぐ演じられたらと思いました」と今の心境を語りました。愛知・豊橋公演は10/1(金)〜3(日)、大阪・枚方公演は10/13(水)で予定されています。その他の公演については公式サイトからご確認ください。
「近松心中物語」
<豊橋公演>
10/1 FRIDAY〜3 SUNDAY【8/14(土)〜チケット発売】
■会場/穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
■開演/10月1日(金)18:00、10月2日・3日(日)13:00
■料金(税込)/全席指定 S¥10,000 A¥8,000 B¥6,000 ほか
■お問合せ/メ~テレ事業 052-331-9966
プラットチケットセンター 0532-39-3090
*未就学児入場不可
<枚方公演>
10/13WEDNESDAY【8/18(水)〜チケット発売】
■会場/枚方市総合文化藝術センター 関西医大 大ホール
■開演/14:00
■料金(税込)/全席指定 A¥7,000 B¥5,000
■お問合せ/枚方市総合文化芸術センター別館 TEL.072-843-5551
*未就学児入場不可
2021年07月29日 <会見レポート!>映画「シュシュシュの娘」入江悠監督
『22年目の告白~私が殺人犯です~』『AI崩壊』など、近年はメジャー映画で知られる入江悠監督による自主制作映画『シュシュシュの娘』。『SRサイタマノラッパー』シリーズ以来10年ぶりとなる自主映画だ。2020年、「コロナ禍で苦境に追い込まれた全国のミニシアターを応援したい」との思いで、クラウドファンディングと自己資金で制作を開始。「全国のミニシアターで一斉公開」という、過去に例を見ない形での上映に漕ぎ着けた。差別や移民などシリアスな題材の中にもユーモアを盛り込んだ本作。公開を控えた入江悠監督のインタビュー会見をレポート!

―今回は女性が主人公。どのように生まれたキャラクターですか?
コロナ禍で先が見えず、どうなるんだろうと2020年を過ごしました。過去に映画を上映してもらったミニシアターも苦しんでいる。一緒に映画の興行をやっていきたいと思ったんです。
女性を主人公にしようと最初に決めました。男を主人公にすると、どんどん暗い話になっていくんですよね(笑)。女性の方がポップさを出せるんじゃないかと。「ミニシアターに行ったことない」という人も気軽に来てほしいとの思いで、ちょっとユルい女性キャラクターにしました。
―脚本が生まれた経緯は?
コロナ禍で仕事の予定が2つくらいなくなり、カッとなって書きました(笑)。ずっと家にいたので、集中して書いた感じです。ただ、この映画で描かれているような外国人差別の問題などは自分の中にずっとあるテーマでした。『ビジランテ』でも描きましたが、深めていきたい気持ちはずっとありました。2020年、「不要不急」という言葉がありましたが、僕にとって映画館で映画を見ることは、かなり「要」です。救われたり、笑ったり泣いたり、普段の生活から解放され身軽になれること。そういう意味で少し笑えるものをやりたいと思いました。せめて88分を気持ちよく痛快に。目標はそれくらいでいいのかなと思ったんです。暗くて重い映画も好きでミニシアターへ見に行きますが、笑い飛ばすことも映画のひとつの力。僕の好きな岡本喜八監督の『独立愚連隊』も、苦しい中で皆やけに明るくて笑っている映画です。
―久しぶりの自主映画ですね。
役者もSNSで募集しました。2500人以上来てメールサーバーがパンクした(笑)。当時まだ対面も厳しかったので、一次選考後リモート面接、その後対面オーディションをしました。主演の福田沙紀さんは芝居もダンスも面白かった。ダンスが映画に出てきますが、振り付けも自分で考えてもらっています。ダンスはすごく人柄が出やすい。本人が生きてきた足跡を記録する感じが面白かったです。

―撮影には学生スタッフも多く参加したそうですね。
学生たちも学校が休校になり、上京して一人暮らししている子たちが友達も作れず孤立していました。「やる気のある人は、来れる日は現場に来なさい」と話し、本気で映像業界を目指す人は全て休業して来ていましたね。学生には演出部や美術部、制作部などでプロと同じ仕事をしてもらいました。自主映画だからこそできることで面白かったです。商業映画とは違うペースでゆったりやりました。コロナの影響も不明で、とりあえずいっぱい寝て食べる時間を作ろうと。
―商業映画と自主映画、心持ちは違いましたか?
心持ちは同じですが、やっぱり自主映画は大変だなと。プロなら分業することを自主映画は自分でやらなくてはいけない。10年ぶりで大変でしたね。自主映画は人間力を問われるんです。撮影地を借りるのも自分で交渉する。人間対人間で信頼してもらう必要がある。しかも今はコロナでリスクが多い。「本当に映画を作りたいんだな、何か面白そう」と思ってもらうしかないんですよ。一つずつ交渉していくところに、自主ならではを感じました。
ー撮影はご出身の埼玉県深谷市ですね。
愛知の春日井市に似てると思います。郊外で起伏がなくフラットな感じ。日本全国へ行きましたが、春日井が一番近いと思いました。

入江悠監督:名古屋シネマスコーレにて
ーミニシアターで全国上映が決まるまでの経緯は?
上映のことは作品が完成するまで、基本的には決まっていませんでした。完成後に「いかがですか」と声をかけ、手を挙げていただいたところが現在上映が決まっている映画館です。
ーミニシアターにはどんな思いがあるのでしょう?
人生を救われたところがありますね。大学受験に失敗して引きこもりみたいな生活をしていた時期に、唯一行っていたのがミニシアター。そこへ行くことで、かろうじて社会の一員という感じでした。もちろんシネコンも映画を見る環境として素晴らしいですが、ミニシアターは一人で孤独を抱えていくような場所。そういう場所はだんだん減っている気がします。ミニシアターは独りぼっちを受け入れてくれる場所。
ー名古屋シネマスコーレは、入江監督にとってどんな映画館ですか?
『SRサイタマノラッパー』を一番多く上映してくれ、一番アツかった映画館です。スタッフの熱量が直接伝わってくる。メジャー映画はお互いの対話や熱が伝わり合うことが少ないですが、シネマスコーレの熱量は映画館の人と一緒に作り、お客さんに見てもらっている感じでした。
ー自主映画制作は、今後も続けたいですか?
はい。「そろそろやらなきゃ」という気持ちは、この数年むくむくと湧いてきていました。メジャー映画をやっていますが、担がれた神輿みたいな部分があり、細分化したスタッフに支えられて監督が成り立つ。誰もいなくなった時に一人で映画を作れるか、人間力が衰えてきているかもという不安がありました。やってみたら毎年作りたいくらい楽しかったです。やっぱり自主映画は自由。一人の人間に戻った気がしますね。
◎Interview&Text/山口雅
8/11 WED 19:00~
先行上映(全国一斉プレミアム試写会・チケット代は各上映ミニシアターへ全額寄付)
8/21 SAT~
[名古屋・シネマスコーレ、大阪・第七藝術劇場他、全国ミニシアターでロードショー]
映画「シュシュシュの娘」
■製作・脚本・監督・編集/入江悠
■出演/福田沙紀 吉岡睦雄 根谷涼香 宇野祥平 井浦新 他
■制作プロダクション・配給/コギトワークス
