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2019年10月25日 <会見レポート!> 映画「108 海馬五郎の復讐と冒険」監督・脚本・主演の松尾スズキ
映画「108 海馬五郎の復讐と冒険」が10/25(金)から全国公開されます。
今回は監督・脚本・主演を務めた松尾スズキの会見レポートをお届けします。
松尾スズキが大人計画を旗揚げしたのは1988年で昨年30周年を迎えた。宮藤官九郎や阿部サダヲをはじめ才能豊かなメンバー達は、松尾と同様にそれぞれ多岐に渡って活躍しています。そしてこの映画は松尾にとって4本目の長編映画で、今回初めて監督・脚本・主演の全てに挑みました。
松尾:本番に入る前に1ヶ月くらいリハーサル期間を作りました。監督を務めながら主演をするわけなので、主に僕の場面の練習です。あとはローションのシーンを実験してみたり。監督・脚本・主演と兼ねましたが、本番中はゾーンに入っているというか、すごく忙しい定食屋の店員さんのオペレーションみたいな感じでしたね。ギュッと集中していて、何かをしながら次の段取りが頭に入っていて自然と手が動いているような。大人計画では演出をしながら出演するのがよくあることなので、その辺は結構身についているんです。あと、あまり時間がない中での進行だったんですが、キャストやスタッフのみんなが僕のシナリオが面白いって褒めてくれて、そのことがこの映画を作るに当たって精神的支柱になっていたと思います。
そのストーリーとは、SNSで妻の浮気を知った中年の男が、その妻の投稿についた108の「いいね」の数だけ女をを抱いて復讐するというもの。R18指定のコメディである。
松尾:このプロットを書いたのが50才になる頃で、ちょうど再婚も決まっていました。この歳で結婚する意味ってあるのかな?と思ったり、妻も若かったから将来のことも考えたりもするし。そういうこと色々が重なって、この話が出来ていったんだと思います。R18指定だから激しいシーンがどうしても取り沙汰されるし話題にもなるんだけど、大人の恋愛事情の悲喜交々といったところも読み取って欲しいと思いますね。ラストではそれを感じてもらえると思います。
またこの映画には松尾スズキの喜劇人としてのこだわりも沢山盛り込まれています。ミュージカルシーンもあり、主人公である松尾がスクリーンの中で焦り、縦横無尽にのたうち回るドタバタコメディに仕上がっている。体力的にも限界に挑んだ内容になったようです。
松尾:撮影が朝から深夜まで続くのがほとんどで、後半は走るシーンでも足が上がらなかったり。もう少しカッコよく走るはずが「ワザとですか?」ってスタッフに言われて情けなくなったけど、それもある種のリアリティを与えているんだと思います。僕も中年クライシスというのを感じてはいるけれど、どうしてもこの映画は実現したかった。往年の喜劇人たち、チャップリンやキートン、メル・ブルックスがそうしたように、自分で考えて自分が一番面白くなるように書く、それを自分が演じる。それを映画でやっておきたかったんです。
キャストは妻役に中山美穂。そして脇を固めるのは劇団「ハイバイ」主宰で第57回岸田國士戯曲賞を受賞している岩井秀人、第36回紀伊國屋演劇賞ほか多数受賞の秋山菜津子の好演が目を引きます。演劇人・松尾スズキならではの目線で個性的な俳優陣を配し、映画でなければ実現できないスペクタクルなシーンもトラウマになるくらい心に残ります。
10/25 FRIDAY〜 全国ロードショー
映画「108 〜海馬五郎の復讐と冒険〜」
◎監督・脚本・主演:松尾スズキ
◎配給・宣伝:ファントム・フィルム
◎製作:「108 海馬吾郎の復讐と冒険」製作委員会