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2013年08月17日 舞台「鍵」
「あまちゃん」見てますか? 私は1日に3回は見ています。(あ、引いてます?)
さて、大人気のこのドラマ。ヒットの要因は巷間言われる通りさまざまあると思いますが、そのひとつが、脇を固める実力派俳優陣の好演・名演でしょう。キーワードは“小劇場”。「劇団三〇〇」の渡辺えり、「劇団青い鳥」の木野花を筆頭に、「劇団☆新感線」の古田新太、「大人計画」の松尾スズキ、荒川良々、皆川猿時、伊勢志摩などなど、小劇場を拠点にした劇団主宰者や所属(あるいは出身)俳優たちが、実にいきいきとそれぞれの役をまさに生きているように演じています。そして何と言っても、この傑作が生まれた最大の要因は脚本のチカラ。すべての登場人物に命を吹き込み、その人となりをチャーミングに描き出しているのが、脚本を担当する宮藤官九郎です。彼も「大人計画」所属の俳優であり座付き作家。テレビドラマ、映画で数々のヒット作を手がけ、果ては歌舞伎の新作まで手がけた彼の原点は、”演劇”です。
さて、ここからがやっと本題。
今、日本の演劇シーンでは新しいムーブメントが起こっているようです。小劇場演劇の新世代ともいえる人気劇団が各地で活躍しています。彼らの共通点は、地域を拠点にしながらも全国に通用する才能と実力を持ち合わせていること。劇作・演出ともに手がけ良質な作品を生み出す若い演劇人たちが、その名を全国の演劇ファンに知らしめています。
そのひとりが、名古屋の人気劇団「劇団あおきりみかん」主宰の鹿目由紀。次世代の女性劇作家・演出家として、今、最も注目されている演劇人のひとりです。1998年の劇団旗揚げ以来、一貫してコメディにこだわり、独自の視点で描き続ける「新しい喜劇」をコンスタントに発表。その劇作の才能、演出の手腕が高く評価され、数々の賞にも輝いています。
そんな彼女が新しく手がけるのが、テレピアホール25周年企画舞台「鍵」。男性のみの“シチュエーションブラックコメディ”を書き下ろします。出演は、名古屋発の“イケメンユニット”「BOYS AND MEN」、言わずと知れた「名古屋おもてなし武将隊」、そして男性劇団のパイオニア「劇団Studio Life」から精鋭を集めた6人のメンバーです。この組み合わせを聞いて、最初は意外に感じました。しかし、鹿目さん本人はいたって自然体。与えられた“素材”と“お題”を面白がって、いかに作品へと昇華させるか、何やら企んでいるようです。(詳しくは、MEG本紙9/10号に掲載予定のインタビューをご覧ください。)
小劇場を拠点にする気鋭の劇作家と、エンターテインメント集団のイケメンたち。異色の顔合わせによる化学反応が、どんな刺激をもたらしてくれるのか。
個人的には、なんだかとてつもなく面白いことが起こりそうな予感がしています。
(INABA)
<公演情報>
10/14 MONDAY・HOLIDAY 10/15 TUESDAY
チケット発売中
テレピアホール25周年記念企画舞台 鍵
◎ 作・演出/鹿目由紀
◎ 出演/堀川剛史、神野明人(劇団Studio Life)、田中俊介、田村侑久(BOYS AND MEN「NO IDEA」)、菅沼翔也(ホーボーズエンドホーボーズ・名古屋おもてなし武将隊)、権藤貴志(名古屋おもてなし武将隊)
■会場/テレピアホール
■開演/マチネ 15:00 ソワレ 19:00 ■料金/全席指定 ¥4,500
■お問合せ/東海テレビ放送 事業部 TEL.052-954-1107(平日10:00〜18:00)
※未就学児入場不可