HOME > MEGLOG【編集日記】 > 16年ぶりの来日!ブラジルの巨星、ジルベルト・ジル ジャパンツアー初日にKYOTOPHONIE 2024 AUTUMNに出演!

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ブラジル・ポピュラー音楽界を代表する巨星、ジルベルト・ジルが ”アケリ・アブラッソ・ジャパンツアー2024”で16年ぶりの来日を果たします。そして公演初日は京都で開催の「KYOTOPHONIE 2024 AUTUMN」への出演となる。ジルのワールドツアー50周年となる今回の来日、 祝祭感溢れる最高のステージを体感しよう!


ジルベルト・ジルは現在82歳。近しい世代のブラジル音楽家には、バイーア連邦大学の同窓生でもあったカエターノ・ヴェローゾ、先頃エスペランサ・スポルティングとのコラボ作品を出したミルトン・ナシメント、作家でもあるシコ・ブアルキがいる。ちなみに欧米に視点を移せば、ポール・マッカートニー、キャロル・キング、ブライアン・ウィルソン等がいる。

彼のキャリアを簡単に辿ろう。 生まれはブラジルは北東部バイーア州。数々のお祭音楽/土着的音楽を生み出してきたブラジル音楽的にも非常に重要な地域だ。彼はここで幼少期から最初はアコーディオンに興味を示し演奏を始める様になる。彼の音楽やキャリアの中にアコーディオンを使ったブラジル北東部音楽作品や土着的で祝祭感に満ちた曲が多いのは、この様な環境で育まれた故だろう。

その後ジョアン・ジルベルトの登場と、ビートルズを始めとする欧米のロックにも大きな影響を受けながら、進化したブラジル音楽であり運動である「トロピカリア」を提示。その後それは現代美術/映像/舞台等垣根を超えた一大ムーヴメントになるが、あまりの過激さ故に監視対象となり逮捕される。その後2年半ロンドンに亡命するが、そこでも沢山の異国の音楽に積極的に近づいてゆく。そして自分が如何にブラジル的な人間かを考えたのだろう、帰国後はアフリカ系ブラジル人としての自分の肯定を軸としつつ、様々な音楽家との出会いを嬉々としながら自分のアンテナに引っかかった音楽に飛び込んでゆく。


ボサノヴァ、ロック、ソウル、レゲエ、アフリカ音楽、幼少期に慣れ親しんだ故郷バイーアひいてはブラジル北東部の田舎音楽。 彼にとってそれらは全て等価値の生きた音楽なのだ。だからこれらのどこに接近していようとジルベルトはジルベルトなのだ。その理由に、どのアルバムのどこを取っても彼はいつだって嬉しそうではないか。米国の黒人音楽家、タジ・マハールがそうであるように。

幼少期に戯れる様に触れた北東部のお祭り音楽に音楽の楽しさを、ジョアン・ジルベルトの心鎮める様なボサノヴァの中に宿るサンバの精神を。同世代の欧米のロックに抗うカッコ良さを発見した彼は、その後何十年間経った60歳を超えた時、いよいよ政治家としても一歩踏み出す。 母国ブラジルへの深い想いを足跡として残さんばかりに。

2003年から2008年の約5年間、ブラジル政府の文化大臣として就任。音楽家としての活動も平行しながらだ。そう言えば、退任直後の名古屋セントラルパークでの無料ライブは素晴らしかった!活き活きとしていた。 退任後は隠遁するどころか、益々音楽活動は活発になる。ここ10年だと盟友カエターノ・ヴェローゾとのライブ・アルバム『Two Friends,One Century of Music』、整った爽やかなサウンドが心地良い『OK OK OK』、ジョアン・ジルベルトへのトリビュート作『Gilbertos Samba』、現代バレエ団への提供作『GIL』が素晴らしいので、是非一度聴いてみて頂きたい。

今回の来日公演は、ジルの息子、娘、孫娘からなる4人編成のファミリーバンドを引き連れての来日公演。キャリア60年の中に刻まれた、過酷だったが生きてきた喜びに満ち溢れた彼の人生。様々な要素が平等に混ざり合い、共に前に進んでいくことが如何に楽しいことか。家族だけのリラックスしたステージで、ジルはきっとそれを見せてくれることだろう。

◎Text/鬼頭黎樹(songs records)

9/26THURSDAY【チケット発売中】
KYOTOPHONIE 2024 - GILBERTO GIL “アケリ・アブラッソ・ジャパンツアー2024”

◼️会場 /京都市・ ロームシアター京都 メインホール
◼️時間/開場 18:00  開演 19:00
◼️料金(税込)/VIP¥20,000 SS¥15,000 S¥12,000 A¥8,000 B¥5,000
◼️お問合せ/KYOTOPHONIE事務局 TEL 075-708-7108/ 受付時間:平日12:00-16:00
※未就学児入場不可 ※車椅子席あり。(KYOTOPHONIE事務局にお問合せください)
※B席は4階、階段のみのアクセスとなります。
◼️プレイガイド/e+
◼️オフィシャルWEB